心和のラノベ感想

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真庭語 感想

真庭語 2008.12

 

今回は、真庭語です。

刀語の番外編というか蛇足のようなサイドストーリー。まにわにの中の4人の初代の話が各章毎に記されたものでしたが、案外七花と戦った時とはまた別物に感じました。

基本的に、真庭忍軍が12頭領制になるに当たって、真庭狂犬がそれぞれを黜陟するというか評価していく形式。

感想

〜初代真庭蝙蝠〜

あまり野望がないものの、頭領はほぼ内定の蝙蝠。そんな時に、頭領の座を狙う真庭春蝉が忍法『潜り蛹』を披露している最中に殺害されるという話。

まさかのまにわにでの密室殺人!笑 この時代設定でミステリーを入れてくるのが西尾維新さんらしくて好きです。

曰く忍法『潜り蛹』とは、通常の土遁の術のようにパイプを使用する事なく土中に潜む術のこと。今回は1週間で設定していたところ、土の中で首を絞められて死亡という経緯。この時代に密室殺人なんて概念は無いんでしょうが、まさにそう。

この真相は、忍術の共同開発をしていた真庭秋蟬が、春蝉に出し抜かれたことでその腹いせで、自身も『潜り蛹』を使用して春蝉を殺害したというもの。なるほど、動機が分かってしまえば、人間的な内輪揉めなんだなーと。

因みに、犯人の炙り出しには蝙蝠の骨肉細工が使用され。まぁ、忍法があると殺人事件も何でもありになっちゃうね、という笑。

これは面白かったです。仲間に寝首をかかれるような奴は、そもそも人とつるむだけの資格がないと。

〜初代真庭喰鮫〜

平和主義者『涙の喰鮫』。1人を殺して1000人を救う正義。人質すら足手纏いとして殺す。

本編の喰鮫が迷彩に瞬殺だっただけに軽視していましたが、『渦刀』がどういう原理か分かりませんが強すぎでは。水分を爆散させる?→人の脳漿を破裂させるにしては、発動条件が距離だけとしたら防ぎ様ないのだけれど。

〜初代真庭蝶々〜

図体ばかりでかく忍者向きではない真庭蝶々。そんな蝶々が出会ったのが鑢一根。一線交えて拳で語り合うみたいな展開。虚刀流のあり方を知って自分の活路を見出す的な。

まだ蝶々は忍法足軽は使えてなさそうだけど、真庭拳法はここから始まったのかなと。

〜初代真庭白鷺〜

謎めいた真庭白鷺の監察に向かう狂犬。丁半博打を行うのだけれど、白鷺は図ったように全て裏目を出していく。外し続けるのは当て続けるのと同義である。

痺れを切らした狂犬が負けるという展開。結局、『逆鱗探し』って何なんでしょうね…。人を怒らせる忍法なんでしょうか笑。

それから、『長槍の白鷺』と呼ばれながら長槍を使わないの面白過ぎる。逆さ喋りはしないものの、当て字で喋るのも個性的でした。あと、何か見栄を張った様な会話も良き。

超犯爆池

今回のbest words

やる規などない。しかしやる (p.182 真庭白鷺)

あとがき

本編とあんまり関係ないとは言いつつ、まにわにはユニークなのでそこそこ面白かったです。残り9人の初代の話は刊行されていませんが…。

筆者あとがきは、福沢諭吉の例の言葉について。他人と同じ位置にはいられないけど、皆が思う様にいってないと思えば、何だか平等に思えるみたいな。やっぱり不公平ってあるけどね。