今回は、刀語3巻です。
前回に比べると多少面白さが足りずでした。敵が女キャラで沢山の巫女が出ながらも、そんなにハーレムみたいなこともなく。因みに、鎩はつるぎと読むらしく、漢検でも範囲外の漢字でした。
あらすじ
次なる目的地は、出雲にある三途神社。そこには、千刀・鎩を保有する敦賀迷彩がいるという。1000段の階段をとがめをお姫様抱っこで運んで辿り着くと、交渉に入る。
鎩はその名の通り1000本の刀の総称であり、全てが紛うことなく同じという多さが特徴の変体刀であった。神社の巫女がそれぞれ佩刀していたのだが、交渉により1vs1に持ち込む事に成功する。しかし、迷彩の戦慣れした上での作戦はこの時から始まっていた…。
感想
千本の刀って、どうやって話を組み立てていくんだって感じでしたが、今回の敵である敦賀迷彩は千刀流の使い手であり、得物と好相性だったというものでした。
未だに千刀流が何なのかを完全に理解した訳ではないのですが、奪刀術であり虚刀流のように自身で刀を持って戦わない部類の流派のようです。所かしこに刀を配置するという戦い方と、鎩鎩鎩…という字面のインパクトは強かったです。
まぁ1000本同じ刀を作るのも狂気じみていますが、結局1本目のオリジナルが1番重要という話になってそう。とがめが徒労に終わったのは可哀想…。
迷彩の過去としては、戦災孤児から山賊となったものの、とある一言で改心して巫女を束ねる長となったらしい。で、その神社は精神等にダメージを負った女性を匿う、所謂駆け込み寺みたいなもので。
そういう情に訴えかける事情も七花に全く効かないのも面白い(七花はとがめへの愛が原動力である)んですが、四季崎が作った刀の毒がある意味、そういう女性らにとっての薬となり得るという面もあったというのはなるほどなと。
戦闘は意外とあっさりで七花の勝利で終了。準備が破られた時点でほぼ迷彩の負けか。
今回のまにわにの真庭喰鮫は、白鷺以上に呆気ない終わり方だったので、まにわには噛ませ犬ポジションが定着してしまうのか…笑。
おんぶは駄目で抱っこは許容するとがめは恥ずかしがり屋なのか何なのか。七花と七実の肩車の話は気になるな…。気になると言えば、七花が六枝を斬ったという話も。
今回のbest words
薮から棒、略して野暮だ (p.19 とがめ)
あらすじ
筆者あとがきは、迷彩の過去とリンクしてました。昔した悪い事(悪事を悪事とする基準は何?)は、その後どれだけいい事をしても消えないというか、偽善に見えてしまうというか。
生きづらくても人に迷惑を掛けないで生きていきたいですが、そもそもの環境が前提条件として大事という話もありますね。