心和のラノベ感想

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刀語 第六話双刀・鎚 感想

刀語 第六話双刀・鎚 2007.6

 

今回は、刀語6巻です。

折り返しの6巻。まにわにの頭領が全て明かされたり、とがめのライバル?否定姫が銃刀を持っていることが判明したり、七実が才能を盾に(矛に?)刀集めの第三勢力として大暴れしたりと、大極的にも動きがありました。

あらすじ

壱級災害指定地域の1つ蝦夷の踊山。双刀・鎚を持つとされる凍空一族の元を目指すとがめ達は、極寒の地で行き倒れてしまうも、そこへ現れた凍空こなゆきによって、九死に一生を得る。

事前情報のないとがめらだったが、とある理由で凍空一族はこなゆきを除いて全滅してしまったという。子供の付き合いで勝負に挑み破れるも、刀に執着のないこなゆきは鎚を譲ってくれようとするのだが、そこに現れたるは仲間の復讐に燃える真庭狂犬だった。

感想

まずは、こなゆきちゃんが死ななくて良かったです。事情が事情だし、天真爛漫で無害な孤児ですからね…。

さて、今回は凍てつく寒さの北海道。薩摩から手違いもありながらの大移動でしたが、シンプルに遭難というかのっけから全滅の危機でした笑。それを助けたのがこなゆきちゃんで、実は凍空一族は超の付く怪力の一族。

と言う訳で、鎚は二振りということではなく重さが特徴の刀でした。こればっかりは、凍空一族のほか蝶々みたいな能力がない限りは扱えない、扱う人を選ぶ変体刀ですね。こなゆきちゃんが生きてないと、持って帰れないという事情も確かに存在する。

そんなこなゆきちゃんは、七花に一度勝利。何も賭けて無かったのが幸いですが、勝因はビギナーズラックのようなものでした。これが結構納得のいく話で、達人であればある程に定石を知り過ぎていて、逆に素人に負けてしまうという。藤井聡太さんにも、素人が戦ったらワンチャンみたいな…。

そんなこんなで、七花も初の怪我をしてしまいますが、そんな重症ではないのは一安心。ただ、そこに現れたのが真庭狂犬という速さが武器のまにわに。

しかも、速さだけでなく女限定で憑依してしまうばかりか、その記憶を共有する事が出来るという。そんな狂犬がこなゆきちゃんの身体に入り込んでしまうという最悪の事態も、逆に戦闘のプロの動きが故に七花が勝利を収める。

とがめは最悪殺しても…という話でしたが、そこは七花が破ってくれて、残留思念だけを退治する結果となったのは、ホッとしました。

今回の狂犬の動きはまにわにとしては独断専行であり、鳳凰は後に謝罪にやって来て、もう1人連れてきた真庭川獺の首を手刀で落とすという、懺悔を見せた事で一応の収拾。左腕の件もあって、本当に川獺が亡くなったかは定かではないですが…。

そして最後に衝撃の事実。凍空一族を壊滅させたのは、七実らしい。これは恐ろしい…というかまじで化物語だよ。こなゆきちゃんは事件の後、三途神社で引き取られることとなったらしく、これは良い落とし所。

今回のbest words

わたしが死んだら、そなたひとりで『ちぇりお』を気合を入れるための掛け声として、日本中にはやらせてくれ…… (p.28 とがめ)

あとがき

筆者あとがきは、負けることの大切さについて。確かに負けて学ぶ事は多いから、負けの経験は必要だなと。負けを避けすぎるのも成長に繋がらない、みたいな。

人鳥は魚組じゃなくて鳥組だよなぁ…笑。