心和のラノベ感想

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刀語 第一話絶刀・鉋 感想

刀語 第一話絶刀・鉋 2007.1

 

今回は、刀語1巻です。

少し食傷気味だった戯言シリーズを読み終えて、西尾維新さんの別シリーズを読み始めましたが、これがまた違った面白さがありました。

12ヶ月連続刊行企画とかいう恐ろしい企画の一環のようで、ストーリーとしても1巻につき1つの名刀を集める話となるらしく、とても分かりやすい。粗忽で無骨な虚刀流の使い手と、エリートなヒロインのやり取りが今後も楽しみになりました。

あらすじ

不承島に暮らすのは鑢七花とその姉の七実である。七花は、1年前の父六枝の死によって虚刀流7代目当主となっていた。そんな世間知らずな浮世離れした2人の元へ白髪の少女とがめが現れる。

奇策士を名乗るとがめは、尾張幕府の軍所総監督として四季崎記紀という刀鍛冶の作った12本の蒐集の協力を打診してくるのだった。そこへ真庭蝙蝠という忍による奇襲を受けてしまう。

感想

時代感もそうだし、刀が出てくるというのも雰囲気としては鬼滅の刃に似ている。とは言え、敵は鬼ではなく名刀を持つ能力者の人間ですが。

今回の敵は、真庭忍軍の頭領の1人でした。この敵も敵ながらかなりユニークで、忍としても卑怯な手や搦め手を使うある意味効率的な考えを持ち、体内に刀や手裏剣等を隠し持ったり吐き出したり、加えて骨格を変えて姿形を見た人物そのままに変装までしてしまうという、中々1話目から強敵でした。

また、前にとがめの刀集めの依頼を受けておきながら、金に目が眩んだが故に鉋を持ち去り、今回の戦いの中でも使用していました。因みに、鉋は直刀でありながらその強度に特徴のある刀らしい。まぁ、不運もあったものの鉋に頼った事で七花に敗北。

その七花ですが、バカっぽさや世間知らずさはあるものの、虚刀流の使い手としては強かったです。虚刀流はその名の通り刀を使わない(扱えないから)戦い方であり、それで刀を持つ相手に勝ってしまうのだから凄い。

とがめに変装した蝙蝠を野生の嗅覚とかで判別するのかと思いきや、後ろに誰かいたからとりあえず足刀しといたって感じなのか…笑。というか、刀語なのに主人公が刀を使えないとか斬新ですね笑。

とがめに関しては、出世を狙う一面もあるようですが、刀集めを依頼した相手に既にそれぞれ金、刀の一流の錆白兵には刀そのものに魅入られて失踪されていて、金にも刀にも興味がない七花に白羽の矢が立ったと。

ただ、大乱の英雄の六枝がとがめの父を殺したという事情もあるらしく、仇に協力を仰ぐとがめの心境も今後気になる所。なんですが、愛に乗っかった七花ととがめの相性は見ていて良さそうに思えます。ノリツッコミも面白い。

巻末の登場人物紹介の必殺技がコマンド入力になってるのも笑える。

今回のbest words

鑢七花。わたしに惚れていいぞ (p.87 とがめ)

あとがき

講談社BOXって一段組もあるんだーということで、読み易かったです。

1話に1人という構成だと、次はどんな相手なんだろうという楽しみもありますね。

筆者あとがきの憖才能があっても…、でも才能があった方がみたいな話は興味深い。