今回は、刀語7巻です。
遂に訪れてしまった鑢姉弟対決。不承島で七花の帰りをニコニコ待っていれば良かったのに何で…というのは、七実の苦悩を理解し切れていないということなんでしょう。奇策士がちゃんと奇策を打ってて感心したぜ。
あらすじ
壱級災害指定地域の陸奥・死霊山。神衛隊を蹴散らし、その山巓に安置された悪刀・鐚を手にするは鑢七実。鐚の人体活性化能力によって、七実の病は癒される?!
剣士の聖地、土佐の鞘走山清涼院護剣寺。象徴として刀狩令の名残で建立された大仏が鎮座する地で、七花ととがめは七実と相見える。一戦交えて歯が立たない事を思い知らされた七花は意気消沈するも、とがめは奇策を練り再戦の準備を整えていた。
感想
病を克服した七実とかどう倒すんだ…という展開にはなりましたが、七実が死に場所を求めていたというのなら、七花にとって良き壁となったという所でしょうか。それにしても、もっと話し合って欲しかった気もしますが。
七花八落の途中で入る溜め技という弱点の克服や、とがめの蝋燭を計算して全て同じタイミングで消して七実の視界を奪うといった奇策で、追い込んでいたのは熱かったです。
ただ、七実の天才性は凄まじく、身体が追い付いていたらと考えると末恐ろしい。鐚も相手の技のコピーも自身を弱くする為の手段だったとは…。
結果としては七実は亡くなってしまうものの、天涯孤独となった七花ととがめが、お互いの存在を認め合うのは良い演出でした。刀としてではなく、人として姉の死を悲しむというのは、うーん以前の七花でもそうなんじゃないかなーとも思うが…。
因みに、七花が父を殺した理由については、七実が見稽古を持っていると分かった瞬間に、六枝が七実を殺そうとしたからだそう。母に関してはまだ不明な部分もあり。まー。これまた中々壮絶だけど、七実は七花に感謝してたのか否か。
とがめが短髪になりました!(七実の斬撃のため)
今回のbest words
おれがとがめの刀になりたかったからだよ (p.123 鑢七花)
あとがき
何か真庭川獺さん本当に死んじゃったっぽいな。その代わりに鳳凰が能力を引き継いでいるみたいでした。まにわにで1本、否定姫で1本か。
筆者あとがきは、才能について。自分が特別だと思っている人ほど周りから見れば普通というのはそうかも…。