今回は、刀語5巻です。
狼と香辛料で言うところのアマーティ登場という感じで、恋のライバル登場で加速するのはストーリーとして好きです。また、今回はまにわにが1人も死ななかったり、七花も敵を生かしたまま真剣勝負をしていたのも印象的でした。
あらすじ
旧将軍の刀狩令でも集められなかった変体刀を4つまで蒐集したとがめ達。錆白兵を倒した事で、とがめにとっては2つの失策を取り戻したこととなり、七花にとっては新日本最強の異名を手にすることとなった。
ともあれ九州は薩摩、次なる敵は校倉必という名の海賊。七花以上の上背を持ち、賊刀・鎧は防御力を特徴とした刃を仕込んだそのまま鎧であった。これまでの戦いで傷を負ったことのない七花との守りvs守りの勝負の行方は…。
感想
面白かったです。刀に囚われない鎧という属性もそう、とがめを取り合って戦うという展開も然り。そして、予告通り「ちぇりお」のあれこれもあり笑。
今回の敵である校倉必ですが、プロフィールには七尺五寸とある。1尺=約30cmとすると、余裕で2mを超える巨漢である事が分かります。元々、琉球の漁師の子供として育ち、海賊に襲われ父と妹を亡くし、自身は雑用係として生き存え、元々その海賊が持っていた鎧に見初められて、身長が伸びたらしい。
そういや、妹のこころって、必と心の字面が似てるってとこから来てそう。必殺技はフォント絡みが多い?
港町では人気の海賊となり、大盆という闘技場で賭博的な余興も行う町が舞台。とがめに一目惚れし、鎧ととがめを賭けて七花とバトルするという流れでした。少し弱気になる七花でしたが、とがめの声援を受けて奮闘する姿は良かったです。
鎧は金城鉄壁という感じで、恐らくとがめが発案した海に突き落とすとか、熱攻めとかにも対応していそうで、七花の鎧通し(中身だけを攻撃)すらも防いでいました。なんですが、虚刀流を抜きにして、七花のフィジカルの強さを以て必を持ち上げて落とすという、オーソドックスな戦いで勝利。
これまで容赦なく敵を真剣勝負の末に平然と殺してきた七花でしたが、とがめの命によって、必は一命を取り留めてそうでした。とがめも、七花に手を汚させるのは前々から気にしているようでしたが、まぁ今回はそれが上手くいったというところか。覚悟という意味でも。
それから、今回のまにわには真庭鳳凰という親玉が出てました。休戦協定を結ばされた形でしたが、食えない男という感じでした。手刀で自身の腕を切ったり、それでいて取り替えが利くような言もあり。とりあえずまにわにが5巻では死亡者なし!
否定姫とか色々と伏線も増えてきました。
今回のbest words
いや……なんか、意地悪したくなって…… (p.116 鑢七花)
→好きな子に意地悪したくなる心情ですな^^
あとがき
按摩で頭も踏ませるとがめさん…。
筆者あとがきは、悪の魅力の話。要は自分と違うという事であり、ただ一つ言えることは自身を正義だと思うなかれ、ということらしい。