今回は、十三番目のアリス4巻です。
七番目のノエルが登場。三月が少し頑張った巻でもありました。現状の最新刊でノエルとの戦闘自体は完結しているものの、シリーズ全体としては未消化がまだまだ残っているという感じ。総評はあとがきに記しておきたいと思います。
あらすじ
短期海外研修で南の島『ブルーエデン』へとやって来た面々。いつものメンバーでグループとなり、ショッピングをする中で三月はアリスやリリスによって女装をされてしまう。
そんな三月をナンパする輩から助けたのは、ノエルという刀が似合う東洋系の美貌を持つ少女であった。男性恐怖症のノエルは、三月が女の子であると思いながら接していく。
リリスは七番目のノエルと邂逅し戦闘となる。しかし、七番目の根城となる当地ではノエルのみの強化が施されていて、一時撤退。リリスによって、アリスがけしかけられ事態はバトルロイヤルの体を成していく。
感想
三月がハーレムって感じでした。気弱で鈍感キャラには荷重な展開ですが、今回はアリスに思いを伝えたり、戦場に参加するばかりかラミアの指示もあって、大金星も上げるシーンも。流石に、ノエルの男性恐怖症となったトラウマがあるからと言って、高所からの落下で助けてくれたノエルに止めを刺すのはえぇ…と思いましたが。
ノエルの造形に関しては、ほぼ神崎火織ですね…笑。正々堂々の侍魂を持っている。博士は9歳にして天才少女のエレノア。
今回のアリスの戦闘は、ラミアと無線で繋がっていてバディ感があって良かったです。というか、逆に裏事情に精通している人が戦地にいた方が話が捗る気がします。
アリスと三月の恋愛感については、とりあえず一段落付いたかなーと思います。が、終ぞ組織だとかその他の殺戮人形の話だとかは明らかにならず。少し勿体付け過ぎている感があって、もっと情報を小出しにして欲しかったですね。キリングドールの弱点が首と腎臓って今更出てくる情報?!みたいな。
今回のbest words
私の足、舐めてもいいですよ……♡ (p.312 アリス)
あとがき
この作品を5段階評価で付けるとしたら、3.5辺りかなーと思います。平均よりは面白いけれど、物足りなさもあるみたいな。
1〜3巻でも書いている通り、キャラクター造形とやり取りは面白い一方で、設定が単純なようで意外と複雑。なのに、そこが説明不足なのが良くないのと、単純に戦闘シーンがそんなに面白くない。やはりこの世界観(+戦闘描写)いらなくない?と思ってしまう。
あとは、三月の魅力が薄い部分も挙げられるかなと。シャナで言う悠二は、シャナの参謀役みたいな立ち位置もありましたが、まぁストーリー全体に掛かる部分なんで難しいですね。その点、同様に主人公=ヒロインの俺妹では京介が情けないキャラながらも、妹が好きで優しい兄でいようとする、お節介さと言うべきものは共感もし易くて良かったなと。
この作品の刊行から1年後に俺妹が刊行されてるのね。