心和のラノベ感想

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弱キャラ友崎くんLv.11 感想

弱キャラ友崎くんLv.11 2024.1

 

今回は、弱キャラ友崎くん11巻です。

アニメ2期もスタートし、丁度たまちゃんvs紺野エリカの部分を観ている訳ですが、アニメのたまちゃんは原作以上に可愛く見えるなーと思う今日この頃。

ともあれ3年振りの新刊。前回が明るい巻だったのに比べて今回は結構暗め。というのも魔王こと日南の過去を抉っているのだからそれも当然。そもそもが11巻に至るまでメインヒロインのルーツが明かされなかったのが凄い話ですよね…。

暗いムードも随所に出てくるみみみが中和してくれてた!

あらすじ

日南の誕生会のビデオレターで不穏な雰囲気で幕を閉じた大阪旅行。連絡が途絶えたまま友崎は3年生に進級し、友崎、菊池さん、水沢、みみみが文系クラスに、中村、竹井、たまちゃん、優鈴が理系クラス、日南は特進クラスとそれぞれ分かれる。

日南へのコンタクトを取る為に家で出待ちをする友崎は、日南の妹の遥と繋がる事に成功する。一方、日南が休み続けたことで滞る生徒会の仕事をみみみと共に進行したり、菊池さんに出版社から連絡があったりしていた。

感想

日南が歪んだ理由が分かる回でありつつ、ただ上下巻っぽい構成になっているので、解決編は次回に持ち越しという感じでした。まぁ、今回は次巻も大体書き終わっているとのことで、そんなに待たなくて良さそうとのこと。最終回が近いのかしら。

ということでまず、のっけから暗いムードの始まりだった訳ですが、日南にとってのビデオレターの何が良くなかったかと言うと、それは恐らく母・陽子の存在が大きいのかなと思います。勿論、自分を尊敬して手本とする遥に空っぽの自分を見せたくないという気持ちもありそうですが。

日南の母は、全肯定の人だったらしい。ある意味で失敗しても次の何かに繋がるとか、ポジティブで良い部分もあるんですが、その度合いが少々行き過ぎていた。雰囲気からすると、何らかの宗教にハマっていたのではと感じました。本筋から逸れますが、父の描写が抜けていたのも気になる所で、単身赴任なら良いですが、献金が故に逃げられたのではとか邪推してしまいます。

それはさておき、日南はそんな家庭で過ごし、母というよりも家族そのもの?を太陽として、神様として、自分の生き方が間違っていない、おにただだと信じて生きてきた。それが崩れるのは、妹の渚の死であり、それに伴う母の発言で。

というのも、渚の死に対してやはりこれも肯定してしまい(悲しむ気持ちはあるにせよ)、日南はこれまでの生き方が間違っていたと悟ってしまうと。ということで、今の日南は何も信じていないけれど、勝てるから勝ち続けている存在になったということか。恵まれているのに恵まれていない、不憫。自分が自分でないようという意味では確かに水沢と境遇は近そう。

渚の死に関しては、おおよそたまちゃんの時と状況が似ている感じなんですが、あの時の日南はたまちゃんの反抗を肯定していました。それは、今の日南らしくないという話がありましたが、渚が正しかったと根っこにある素の日南が思いたかったからこそなんだろう、と今は思います。

菊池さんは、今回web小説が出版社の目に止まるという事がありましたが、今後の事も考えて保留にしてました。すぐ話に乗れば良いとも思いますが、ストックがないと次回作とか大変というのもそうなのかなと。

レナちゃんとの邂逅とか可愛い要素もあったものの、菊池さんは"業"が怖過ぎる。友崎達の話を小説に昇華させるのもちょいサイコだし、結果的に遥ちゃんを泣かせるし。そういや、遥ちゃんもチーズ好きですって。

みみみに関しては、本当に読者にとって太陽みたいな存在でした。感情のシーソーのボディタッチもそう、1hくらいブランコに座ってる不審者友崎に声を掛けるのもそうだし、足軽さんと共にアタファミのミリしら実況も面白かったです。顔良しスタイル良し勉強もスポーツも出来てコミュ力がある…強い。

加えて、生徒会選挙の時のように友崎とタッグを組んで生徒会の仕事の手伝い。キャリア講演的なイベントで足軽さんを呼ぼうみたいなのは、この作品の広がりの上手さを感じました。

尊敬している人が駄目になった場合、みたいなのが今回よく出てきた点ではありますが、友崎のアタファミにおけるファンの存在は、何か別な答えを与えてくれそうな気もします。勝つだけがプロゲーマーじゃないみたいな。

次回は、動機がテーマになりそう?

※ブルベ冬はブルーベリーがよく採れる冬のことではない。肌が白くてクール系女子みたいな?

今回のbest words

私は、弱キャラだから (p.34 日南)

→帯がアニメ2期のやつじゃなかったら書かれてそうなセリフ。まさか日南が言うとは。

あとがき

今回の話は、日南が友崎と同じステージに降りてきた感がありました。寧ろ、現実では友崎に追い抜かれて逆にゲームでは勝るという。うーん、恋愛に関してはどこに落ち着くのか分かりませんが(日南のどんでん返しでも良い)、本筋は日南の救済となればそっちはあやふやアスタリスクかなぁ…。

筆者あとがきはいつも通り楽しませて貰いました。花の色がネクタイやブレザーとかと合わせてるとは鋭い。

竹井、お前数学できるのか。