今回は、嘘つきリップは恋で崩れるです。
第15回GA文庫大賞銀賞作品。タイトルとイラストに惹かれて買いました。珍しく大学が舞台の、陰キャ系主人公と大学デビューのヒロインのラブストーリーでした。ちょっとタイトル負けしてるかなぁ…。
あらすじ
立誠寛大学1回生の相楽創平は、他人と最小限の交流しかしないおひとりさま至上主義の持ち主である。そんな創平はひょんなことから、同じゼミで美人な七瀬晴子が、オンボロアパートの隣に暮らしている事に加えて、同じ高校の地味子だった事を知ってしまう。
それから、創平は自身の主義を貫く為に、七瀬の大学デビューの後押しをしていくことに。しかし、逆に七瀬は創平への想いを抱くようになるのだが、創平のおひとりさま主義には深い訳があり…。
感想
簡潔に言うならば、ちゃんと読めて面白いけど通り一辺倒という所でしょうか。コメディ要素はほぼ無いので純粋なラブストーリーで、比較的展開は穏やか目。設定に関しては、ラノベらしく天文学的確率をクリアした上で成り立っている感じ。
薔薇色な大学生活を送りたい七瀬は、高校時代は図書委員をするような真面目な根暗少女だったようで、すっぴんに自信がないキャラクターでした。メイクをする事で美人へと変貌するものの、それを詐欺ではないかと気にするみたいな。大体みんなそうなんだから、極度に怖がり過ぎでは…。ま、須藤さんが顔より内面を取る親友で良かった。
創平に関しては、家賃とか全て自立していてほぼ作品中ではバイトばっかしてた印象。コンビニ店員。隣で悲鳴がして駆けつけてG退治をしたら、実は同じゼミで美人の七瀬さんがお隣でした!と。しかも、ばっちしメイクじゃないばかりか、同じ高校だったじゃん!と。因みに、大学は京都で地元が名古屋。
そんな出会いから、創平は七瀬のすっぴん事情を周囲に話すことなく(そもそも話す相手がいない)、七瀬は創平の自炊事情からご飯を作りに来たりになっていく訳ですが、これはお隣の天使様ですね。
イベント事としては、レポート纏めから祇園祭の浴衣、文化祭にミスコンとか水族館Wデートとか色々あって、可愛い七瀬さんを随所に見られたのは良かったかなと思います。庶民派で、元々が陰キャ気質があって自信無さげなのも逆に可愛いポイントかなと。
後押ししてる人を好きになるというのはよくある話で、そもそも七瀬には好きな人がいなかったというのはありますが、まぁそういう展開になるものの、創平は一度告白を断ってしまう。その理由が両親の離婚でした。恋愛は冷めやすいとか対人関係は煩わしだけとか。
既に母は再婚相手がいるみたいですが、こういう場合確かに実家に帰りづらさあるな…。それが、七瀬の後押しで実家に帰って、母に産んだことを後悔していないと言われたことで一応吹っ切れたという話。
まだ七瀬さんが恋を諦めてなかったことでハッピーエンドでございました。
木南くんは結構諦め早くて良かったけど、七瀬のバイトの先輩は捕まったかな…笑。絵美さんも確信犯みたいなとこある。あと、ミスコンで上から水を落とさせた女2人も流石にやり過ぎなので、ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね。
今回のbest words
こういうの、なんだか新鮮!隣に住んでたら、待ち合わせしないもんね (p.322 七瀬晴子)
あとがき
可愛くなる努力こそ尊いということで。でも、メイクに1hかけるのは大変だろうし…お疲れ様です。というか、七瀬さんLINEの友達少な過ぎ…。
次回があるとしたら、再婚相手の連れ子が同い年くらいの女の子だったのでそこから広げるのかも知れないけれど、まぁ一冊として完結してる気もするので…。