心和のラノベ感想

1ヶ月15冊読了目標!

リバーズ・エンド2 slash the heart 感想

リバーズ・エンド2 2002.5

 

今回は、リバーズ・エンド2巻です。

1巻とは打って変わって、スクールという箱庭の中で少年少女達と暮らす話でした。唯は眠りから醒めないまま。新キャラが多かったもののそれぞれのストーリーがあって、丁寧に触れられていたので、すぐ覚えられて良かったです。

あらすじ

S市消滅の後、拓己らの前に現れたのは伊地知率いるSIFMAを牛耳る組織だった。唯は目を覚ますことはないまま、定期的に会う場が設けられ、拓己はスクールと呼ばれる廃校舎で実験体の子供らと暮らす事に。

当初は唯を襲う辛い事を考えて、唯が目を覚さない事を望む拓己だったが、スクールの生徒らとの交流を経て、その考えは変容していく。

感想

まず、最初のプロローグは転校前の唯の様子でした。描写からでは唯がどんな姿となったかは不鮮明ですが、能力を発動させてしまい怪物と周囲から避けられてしまっているようでした。だからこそ、拓己とのメールがどれだけ心の支えになったかですね。切ない哀しい。

そして、スクールに移された拓己は、唯と共に特別な適性を持った素体だと判明しました。前回の白い光に融合出来たのがその証拠。まぁ、何で離れて暮らしてたんだって話にはなりますが。

逆に、スクールの生徒達は、適正がないらしく自壊の可能性があるらしい。勿論、スクールの周囲にはテクノロジーによって逃げられない結界が張られていると。ちょいウィザーズ・ブレインのファンメイ達がいた所を思い出しました。

紺野七海は、有香のような明るさで慣れない拓己と仲良くしてくれた一方、生きる目的の曖昧さ故にリストカットをしてしまう少女でした。でも、拓己がスクールで暮らしていく上では1番必要な存在にも思いました。

二ノ宮直人は、事あるごとに拓己に突っかかってくる存在で、喧嘩っ早い奴でした。けれども、生活保護を受けるシングルマザーの家で育ち、誇りから自分が母が働いていることを人に喋ったことで、生活保護を打ち切られた過去があるようで。苦労している。唯が好きらしい?八坂茂は直人の腰巾着としか。

五島孝弘は、四方弥生に恋して失恋しつつも、2人だけの共通の時間があったり、十條遥は大人びた少女だったり。遥や茂はまだ次回以降何かしらあるかも?

それから、スクールの過程で検査という名の、コクーンという機械に入って良いも悪いも過去を追体験する時間もあるようでしたが、これは何らかの数値を見ているようでした。伊地知らの目的はまだ判然としません。

生徒らの交流で思ったことは、表面だけでは人を判断出来ないことと、自分にとっての大切な物を見つける重要さかなと思いました。特に、後者は遥の話でも顕著でしたが、半月でも触れられていたテーマだとも感じました。そんな訳で、拓己はまた唯と話したいと思うようになったとさ。

今回のbest words

怖くても、水に入れば、人って案外泳げちゃうんだから (p.313 七海)

あとがき

七海の作った食べれない程のジンジャークッキーとはどんな味なんだろう…笑。

一定の暗い雰囲気はありますけど、スイスイ読めちゃうって感じだなぁ。