今回は、螺旋のエンペロイダー3巻です。
2巻で面白くなってきたかなーと思いきや、また3巻で混沌としてしまった印象です。才牙兄妹の秘密も少し明かされましたが、それ以上に謎が多いというかキャラの動きや展開が読めなさ過ぎる…。
あらすじ
虚宇介とそらの母で、統和機構でもそこそこ高い地位にいる才牙真幌は、虚宇介を殺すよう志邑咲桜や、今は璃央の側付きのパンターやブルムベアに命じていた。
一方、NPスクールにおいて、カチューシャは生徒達に対し、裏切り者のパールが紛れ込んでいる事を告げる。
感想
パールが三谷文として、NPスクールに紛れ込んでいて、自身でタレコミをすることで、エンペロイダーに近付こうとした?というところから始まる訳ですが、最終的にはパールが活躍した感じは全然なかったです。
じゃあ3巻で何をしていたのかというと、これは真幌と虚宇介達の戦いなんだとは思いますが、でも真幌の強さはよく分からなかったですし、虚宇介を狙う理由もそらに殺されたいのに、それを邪魔するからというこれまたよく分からない理由。
とりあえず3巻で明かされた情報としては、虚宇介とそらは実は双子で、螺旋を描くかのように2人は引き合って(反発して?)、体の成長スピードが早い虚宇介と遅いそらが出来上がったという。
そして、真幌はいつ懐妊したのか分からず、"牙の跡"が関係しているのではと言われている。そも双子である事に驚きましたが、"牙の跡"というのは凄く重要なキーワードな感じですね。名字にも牙が入っているのは敢えてなのか。
あやふやですが、ブギーポップの方で綺が山に遭難する話が出てきましたが、あの時も"牙の跡"って言葉が出てきた気がします。イディオティックも絡んだりしていて、上遠野さんの作品は、過去現在未来といった時間の流れがよく話題に上がるなと思いました。
で、あとの重要な点は流刃昂夕が全て支配してるっぽいよってとこでしょうか。宇宙軍との戦いを見据えてる?
今回のbest words
子供は成長するんですよ、お母さん。悪い友達とも付き合って見識を広めるんです (p.188 虚宇介)
あとがき
次で一区切りつくのか甚だ疑問ですが、虚宇介は飲み込まれた先で、長谷部や朱巳らと出会い、統和機構から追われると告げられて終了。そらや詩歌とは敵対するのかも分かりません。
筆者あとがきは、植物に花が咲くって不思議という話。そこから、夢を持ってない人はいないとか夢はいつ生まれるかとかに移っていきますが、要は固執するなって事かな。