今回は、螺旋のエンペロイダー4巻です。
最終巻。才牙姉妹やその他の処遇が決定したという意味では完結しましたが、これは選択の一つの結果で、未来がどうなっていくのかは今後次第といった終わり方にも感じました。
あらすじ
才牙真幌はNPスクールの生徒らに向かって、虚宇介を捕まえて欲しいと提唱する。その頃虚宇介は、イディオティックや朱巳らに合流し、牙の跡を訪れる。
流刃に接触した虚宇介は、虚空牙に汚染され、それがそらに移ると力が増幅する。そして、そこへ現れたのは、フォルテッシモであった。
感想
分からないことだらけで気付けば終わっていた、なんてことを言うと読みが浅いとツッコまれそうですが、やっぱり難しかったです。エンペロイダーは造語で、あまり意味のある言葉ではないとされながら、一応は皇帝擬きという意味らしい。
人は自由を求め、皇帝は支配の極地であり、だから皇帝という存在は矛盾している? それ故にエンペロイダーという自己流で良い的なもんかなぁ。より良い可能性を探して?
今回の話は、そらの力が強くなって、それを止めようとする虚宇介ととりあえず戦ってるフォルテッシモがいて、最終的には詩歌が咲桜から引き継いだ能力を使い切ってそらを止めるという感じ。
そらは、未来?へと戻り、能力を失った虚宇介が残ったかと思いきや、虚宇介は、時空切断技術を体得した模様。迅八郎や璃央とも打ち解けかけてたし、悪い方向にはいかなさそうな予感がありました。
虚空牙に関しては、ぼんやりとしていて分からないですが、才牙姉妹同様に牙の跡絡みで未来から来たものっぽい?
あとは、流刃昂夕があっさり死んだかと思いきや、実は反町碧が本物、かと思いきや終盤にどんな乗り物でも乗りこなす能力(笑)の拝原数希が本体だった? これまたよく分からないけど、枢機王は精神的なものなのか…? それと、やっぱり奇跡使いとは対立の感じかな。
あとは最終巻なのでこの作品の総括的な事を述べておくと、このシリーズ単体では何のこっちゃな部分が多いとは思う一方で、上遠野さん作品全体で見ると真相に迫っていた話とも言えるんじゃないかとも思いました。統和機構に収まらないスケールに感じましたし。
ちょっとだけそらが虚宇介にデレた感じがあったのが、良かったですかね。
今回のbest words
舞阪さんはいつだって、みんなに喧嘩をふっかけて回ってるでしょ…… (p.172 虚宇介)
あとがき
うーん、電撃文庫以外の著者の作品を読むと繋がる部分があるんかなぁ…、そこまで読む気にはなれないのですが笑。
筆者あとがきは、二律背反する心について。0か1じゃなくてもいいじゃん的な?