今回は、Kaguya2巻です。
サブタイトルに纏わるキーワードや、敵と味方?にそれぞれ新キャラが出てきたものの、物騒な雰囲気は変わらず。ある意味イラストとのギャップが凄い…。
あらすじ
宗太とひなたは、月乃宮高校3年で生徒会会計の甘粕つばめに出会う。関西弁のつばめは、模試全国1位の実力者で、ムーンチャイルドでもあった。
月乃宮生誕祭で花火を見に来た面々。その最中、拘置所で爆発が起こる。被害者はアルテミスコードを使える犯罪者達のようで…。そして、銀の箱舟を名乗る声明文が出され、ムーンチャイルドが安心して暮らせる場所を冀求するのだった。
ひなたからの告白を受けて、里見との間で揺れる宗太は修道衣の少女、杏奈に出会う。杏奈は宗太の前で未来予知をして見せる。
感想
340頁のボリューム感、世界観が徐々に見え始める2巻でしたが、正直に言ってあまり面白くなかったです。個人的には2巻というのが、その作品の面白さの見切りを付ける分水嶺だと考えているので、先行き不安です。
まず良くないのが、勝手に主人公ハーレムな状況になっている点。主人公が凄く苦労していたり、良い奴だったり、理由がしっかりしていれば問題ないんですが、良い所を見せない内にこの状況になると、興醒めします。これは、初歩的な話なので鴨志田さんがこういう物語にしちゃうかーと少し失望です。
というか、無条件に恋愛感情を向けてくるひなたは良いとして(良いのか?)、里見千歳への宗太の行動が酷過ぎるでしょ…。約束したのに5時間待たせてしかも会いに行かないとか。安直なひなたの当て馬って感じ。
でもまぁ、とりあえず宗太とひなたはキスする所まで関係が進展しました。感動とかは皆無なのだけど。少し官能的ではあった。大体の色仕掛けは京経由っぽい。料理を作ろうとする健気さも。
それから、1冊としてのまとまりが微妙でした。どのキャラを引き立たせる回なのかが曖昧で、事件の顛末も曖昧。というか、全てのキャラクターが存在感なさ過ぎ。何がしたいのか目的も見えてこないし、急に人を蘇らせたり時を操ったりとチート能力が出てくるし。何か、枠が無いというか定まってないというか。
話としては、銀の箱舟というムーンチャイルド保護の団体?の台頭と上杉杏奈というラスボスっぽい、未来予知と時間操作の能力者との邂逅、動物を操れる能力者つばめの登場といった所。
中条は銀の箱舟所属だったようで、今回の爆破事件に関与してました。で、何かよく分からないけど、首から下を集めてる施設で首を吊って自殺。何言ってるの?って話ですが、僕もよく理解出来てない。銀の箱舟メンバーが中条を能力で蘇生させるという奇跡を演じながら、呆気なく杏奈によって再び葬られてました。うーん。保健室登校は何だったんだ…。
主人公の能力って今後どう生かすんだろうな…。頭脳も呆気なくつばめ以下だと分かってしまったし。
そして、かぐや姫というキーワードも徐々に出始めました。月の欠片が飛び散った6箇所に1人ずつということか。ひなたがその1人で、無数のアルテミスコードを持つ。ひなた以外は死亡しているらしいけど、杏奈もその1人という話も。謎は深まるばかり。
ただ、竹取物語のかぐや姫を鑑みると、最後の別れを予見させますね…。
今回のbest words
たこ焼きにはタコが入っているのに、どうして鯛焼きにはタイが入ってないんでしょう (p.77 ひなた)
あとがき
この作品、異能とラブコメ8:2くらいじゃない? 読む前とかなり印象が変わったなー。
神無き世界の英雄伝の続きを書いてくれ…。