心和のラノベ感想

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ブギーポップ・ダウトフル 不可抗力のラビット・ラン 感想

ブギーポップ・ダウトフル 不可抗力のラビット・ラン 2017.7

 

今回は、ブギーポップ21巻です。

九連内朱巳と羽原健太郎の戦いということで、能力がない者同士であり、嘘をつくのが上手い両者のやり取りと、ブギーポップシリーズらしい突拍子のなさは面白かったです。

あらすじ

羽原健太郎は、街から10代後半くらいの少女たちが消えている件について、凪には秘密で調査していた。事件の巧妙さから健太郎は、裏に統和機構が絡んでいると睨む。

レイン・オン・フライディこと九連内朱巳は、能力を持たないながらも統和機構では上位に位置する不思議な少女である。そんな朱巳は、ポゼストリー計画なるものを進行中であった。それは、MPLSになり得る存在を早期に摘む名目で、孤児(ラビット)を匿うというものであった。

感想

ストーリーが分かりやすい+突拍子のない展開のブギーポップは面白い!

今回は、朱巳と健太郎がお互いを警戒し合いながら策を出し合っていく話でしたが、お互いが誰と戦っているのか認識していないというのが肝で。というのも、この2人は炎の魔女こと凪と深い関係のある者同士で、実は争う理由はない、何なら寧ろ仲間なんですよね。

そのズレの中でストーリーが展開していって、当人達は能力者でも何でもないので、試験を仕掛ける朱巳に、健太郎は受け手にカンニングを唆したり、果てはボーリングをしましょうってなったり、このぶっ飛び具合がこのシリーズの良い所だよなと改めて思いました。

で、最終的には2人の正体をお互いに認識して、何やってたんだってなる訳ですが、その孤児の1人が本当に能力者だったり、朱巳の地位を狙う合成人間が出てきたりで、ドンチャンやって、いつも通りブギーポップが出動という流れ。

今回は、ブギーポップに加えて凪も一緒に事態の収集に動いていて、ストーリーの展開もこの2人の会話と、健太郎と朱巳の戦いの果ての状況が後半で繋がるという構成になっていました。

それにしても、ブギーポップが見えるということは、それだけ世界の敵になりかけているという話でもあるとされていますが、凪は当たり前のように横にいるんだよな笑。本物の正義の味方ですよ。

それと、朱巳は能力がない中でどうやって統和機構で上に登りつめたのかなぁとも思っていましたが、上手く世界の敵にならずに事を運んでいる所なのかなぁと今回感じました。ま、意思の強さもありそうですが。それに、ポゼストリー計画も単に孤児の保護が目的とか良い奴過ぎる笑。先生に向いてる。

健太郎が自身を統和機構風にサイドキックと名乗るのも良かったです。気の置ける相棒という意味らしい。

ラウンダバウトも生きてて良かった。というか、また集団催眠事件っぽい後切れだけど笑、被害者はゼロか。ブギーポップこそがヒーローっぽいよなぁ、日朝みたいな。

今回のbest words

カンニングは才能だよ。要するにシステムをどう出し抜くかって話だ。成績だけに固執するようなヤツには、これを使いこなせない (p.98 健太郎)

あとがき

だったら何すか?ってちょっとハマる笑。

筆者あとがきは、逃げるが勝ちとか兎は寂しくて死ぬという話から、"自分だけ"と"皆に褒められたい"人間の矛盾の話まで。これは共感出来る所ですねぇ。