心和のラノベ感想

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ヴァルプルギスの後悔 Fire.4 感想

ヴァルプルギスの後悔 Fire.4 2011.12

 

今回は、ヴァルプルギスの後悔4巻です。

最終巻。前回でアルケスティスの方が抑え込まれた形となったので、どう進んでいくのか気になる所でしたが、今度は凪がヴァルプルギスを抑え込んでいく方向となりました。このシリーズ、凪が主役の話であってそれは間違いではないけれど、魔女戦争を通じての周りへの波及効果が寧ろメインな気もする…。

あらすじ

突然の統和機構の集まりで現れたのは、合成人間ワイプ・アウトとヴァルプルギスであった。ヴァルプルギスは、統和機構の中枢オキシジェンを始末する為に末真を狙う。その上で、統和機構の爪牙は朱巳にも向いていく。

ヴァルプルギスにとっても、朱巳は次の依代として適正があった。しかし、その隙を凪が付き、魔女を抑え込みにかかるのだった。

感想

一応終わり方としては、そこそこ綺麗に収まっているのかなーという感じでした。凪がアルケーの力も用いながら、魔女同士の相殺を成し遂げると。で、その魔女戦争の記憶は一部の面々を除いて消去される等影響を及ぼす。

この影響を受けなかった人物の1人が、レイン・オン・フライディこと九連内朱巳でした。凪の親友であるのと同時に、能力がないにも関わらず統和機構でそれなりの地位を築く存在。中枢候補の二番手とも言われますが、今後注目かな。

注目と言うと、もう1人はパールですかね。ジィドと共に行動をしていますが、パールももしかしたら記憶が残った側?とも取れる描写がありました。さらに、恐らくヴァルプルギスがしていた指輪を最後に回収していて、今後何を起こすのか。そもそものアルケーとの繋がりが少し曖昧なんですけどね。

因みに、フォルテッシモも勿論のことながら影響を撥ね返しているので記憶ありです。

それから、末真の発現?なんかも面白かったです。ヴァルプルギスがオキシジェンを誘き寄せる為に末真にちょっかいを出す訳ですが、その際にヴァルプの認識から外れてカレイドスコープと共に逃げ遂せるという。この能力が何なのかまだ序の口なのかは気になる所です。

カレイドの方は、不死身という呼び名に相応しい回復能力、空気を操っての認識阻害など能力も明かされました。オキシジェンについても、ヴァルプルギスの標的にされながらも最終的には長谷部に助けられていました。ゲゲゲの鬼太郎っぽいという描写が好きで、オキシジェンは嫌いになれないから良かった笑。

凪に関しては、本当は別に強くないというのはシリーズを通して感じました。その強さは、周りの人々のお陰であり、能力者に対しても周囲の状況を活用して戦っているんだなと。

紙木城直子という名前は、そう言えば1巻の時とかに聞いたようなと思っていましたが、凪との学校でのつるみは良かったです。正樹と綺の関係も、今までとは変わってより信頼し合えるようになったのではと思います。恐らく正樹は綺を怒らないんでしょうけど笑。

ビートと朝子の件や、釘斗博士の件など消化不良感も何個かありました。

今回のbest words

やれやれ、なんともハードでグレートな状況だねぇ── (p.152 凪)

あとがき

榊原先生のところにいたキトって初出?

筆者あとがきは、魔女のイメージや人間の怖い物について。知らないことはある意味怖いけど、知っているから怖いというのもあり。怖い物を言語化して纏めたのが魔女なのかも知れない的な。