心和のラノベ感想

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冥王と獣のダンス 感想

冥王と獣のダンス 2000.8

 

今回は、冥王と獣のダンスです。

不思議なタイトル、奇抜な表紙で中々ラノベっぽくない作品で普通に売られてたら手に取らないかもなーな感じですが笑、ブギーポップの上遠野さんの新作ということで。というか、上遠野さんの刊行順に読んでいくと、エンブリオ炎生の後に来る訳で。

簡単に言ってしまえば、戦場の敵同士のボーイミーツガール的な。異能が出てきたり、地味目でありながら性格は良く秘めたものを持つ主人公がハーレム気味だったり。会話が多めだったからかとても読みやすかったし面白かったです。これ1巻完結で良いのか…?

あらすじ

宇宙進出を目論んで、虚空牙と名付けられた超存在に敗北を喫した人類は、二つの集団に分かれて戦争状態にあった。奇蹟と呼ばれる言わば超能力を操る奇蹟軍と、科学文明を基軸とした枢機軍である。

枢機軍で不遇な地位でありながら的確な行動で功績を残すトモル・アドは、戦場で奇蹟を操る夢幻と呼ばれる少女に出会う。お互いを意識し合ったまま一旦分かれた二人であったが、奇蹟軍のリスキイ兄妹は新たな居場所を作る為にトモルの元に付く。数多くの任務をこなしていき地位を高めていく中で、トモルは戦場で再び夢幻と相見える

感想

読む前は全く話が想像出来なかったですが、読み終えてみると面白かったなと思います。肝心な所はやってないし、戦争の決着は最後のプルートゥとソマンジーの暴走で有耶無耶になった感じけど。というか、辛うじて生きてたソマンジーがラスボス的になるとは笑。

表紙も謎なんだけど、上がトモルで下が夢幻なのかなぁ。裏表紙の海胆っぽいやつは夢幻の奇蹟の魔獣だというのは分かるんだけど笑。

話としては、敵同士で出会ったトモルと夢幻が何だかんだ意識し合いつつ、戦場で再会もするんだけど、思っている事が言えなくてみたいな。リスキイ妹もトモルを好きになってるのも良いんだよね。ミルトも惚れてそう。

今作の肝となる奇蹟ですが、影を使う奴やら精神攻撃やら、要は魔法みたいなものでした。リスキイ兄は天の力で大気を操り、リスキイ妹は地の力で土を自在に操ったり。

そして、平民上がりのトモルが実は奇蹟持ちだったと分かる。本人の自覚はないながらも、偶然ではなく先を察知できる?みたいな能力のようで。地位を上げながらも危険な役を引き受けたりと良いやつでした。

最後のシーンでトモルは死んでないと思いますがどうなんだろう。戦争を止めるには奇蹟軍の力が強大過ぎて、逆に夢幻とも和解した感があったから、戦争終結へと尽力していくって流れになりそうだけれど、戦争終わらないの…?奇蹟の有効活用は、湖を作ったように急速に和平に持っていけそう。というか、そこまでいくと宇宙進出する必要あるのか…?

今回のbest words

知るか!惚れたが悪いか! (p.302 トモル)

あとがき

不思議な世界観は健在で面白かったです。続刊出てもおかしくないように思えるけど。

筆者のあとがきでは奇蹟について語っていました。奇蹟は自分の都合で呼んで良いと。