心和のラノベ感想

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ビートのディシプリン SIDE1 感想

ビートのディシプリン SIDE1[Exile] 2002.3

 

今回は、ビートのディシプリン1巻です。

ブギーポップ以外の作品は読まなくても良いかなと思いながら、がっつりブギーポップの世界観で読み始めましたが、とても面白かったです。

主人公は統和機構所属のビートで、ブギーポップは出ないもののブギーポップのキャラが沢山出てくる。スピンオフに近いのかな。まさにタイトルの通りビートが苦難、試練を受ける展開ですが、大体異能バトルっぽい感じ。やはり地の文や、キャラ間のやり取りの妙は上遠野さん作品ならでは。

あらすじ

世良稔ことピート・ビートは統和機構の合成人間である。〈NSU〉という手の皮膚表面で空気振動を感知する能力者で、自他の鼓動を操るビートは、フォルテッシモからカーメンを探る任務を投げ渡されてしまう。フォルテッシモ自身もカーメンが分からないというのに。

ビートは、カーメンを探る中で篠北周夫という人物に出会す。改造人間と思しき篠北との戦闘に苦戦しながらも、奥の手で勝利するビート。後日、篠北の葬式でクラスメートの浅倉朝子と出会う。朝子の鼓動が他者と違って読み取れないことで、朝子を探るためビートは復学するのだが、水面下で反統和機構のダイアモンズや、統和機構のラウンダバウトが動きを見せていた。

感想

面白かったです。ブギーポップを読んできたからこそ楽しめる作品で、沢山知ってるキャラの名前も出てきて繋がるのが嬉しい。何だかんだビートと朝子の噛み合ってないんだけど、恋愛が絡みそうな何とも言えない関係性が良かったです。

あとは、統和機構のメンバーが多く出てくるのも面白くて、名前もそうだしそれぞれの能力も見ていて楽しい。ラウンダバウト(奈良崎克己)とビートの学校内での戦いなんかは特に。

話としては、厄介ごとを押し付けられたビートが奮闘しつつ、最終的に統和機構に追われる身となってしまった!というのが大体の今回の内容でした。パールの仲間になって、今後は統和機構と戦っていく形となるのか。

何といっても、前回のホーリィ&ゴーストで出てきたリセット(雨宮世津子)が、そのまま今回の話に繋がっているんですよね。手から放ったものの威力を自在に操る能力ということで、最強に並ぶ強者らしいですが。

フォルテッシモと言えば、カーメン絡みの今回の行動はよく分からないままでした。今後自分に並び立つように、ビートを強化する為なのかどうか。分からないといえば、イナズマの今回の行動理由辺りも謎かな、良い事をしてるのは確かだけども。

モーニング・グローリーという相手の内包する矛盾のようなものを感じ取れる朝子でしたが、ビートと似た鼓動のタイプだからこそ、ビートは朝子を上手く捉えられなかったということらしい。ただ、それによって同調して強化できたということで、良いコンビだなと思います。

秋荻高校がこの世から消え去ってから、って文が既に面白い笑。

今回のbest words

どんな迂回路を通ろうとも、目的地に着ければそれでいい。違うかい? (p.141 ラウンダバウト)

あとがき

モ・マーダーがビートの戦闘の師匠らしい。色々繋がりがあって面白い。

佐久間由香里が君恵に謝りたかった事って何なんだろう?