心和のラノベ感想

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ウィザーズ・ブレインⅥ 再会の天地〈上〉感想

ウィザーズ・ブレインⅥ 再会の天地〈上〉2006.12

 

今回は、ウィザブレ8巻です。

前回は上下巻約800頁でしたが、今回は上中下と3つに分かれた為、260頁くらいと読みやすかったです。

賢人会議のシティへの宣戦布告でどうなるかと思いきや、祐一は出てないけれどほぼオールスターという感じで、いつも通り見知ったキャラ達同士の戦いという展開になりました。でも、まだ序盤。

あらすじ

メルボルン跡地での戦闘を終え、賢人会議はアフリカの島国に潜伏していた。元はサクラ一人で始まった賢人会議も、ディーやセラや真昼、生き残った数十人の子供達を加え規模を拡大してきたが、更なる拡大に向け、魔法士に寛容と言われるシティ・ニューデリーへの協力を求めることに。

ニューデリーではマザーシステムの是非について考えが二分していた。反対派から一転マザーシステム推進派となった執政官アニル・ジュレは、モスクワからイル(+月夜)を招聘し、賢人会議からの誘拐を阻止。そして、戦場には真昼らを探して錬とフィア、加えてアニルの友人でもあるヘイズまで集結する。

感想

少しあらすじがミスリードする書き方気味になってしまいましたが、現段階ではアニルは良い奴に思えます。というのも、裏切ったとされているものの、魔法士をマザーシステムから解放するという意思はそのままで、寧ろ自分がコアに立候補してシティ・ニューデリーを存続させようとしているみたいです。

アニルの親が前のコアとなっていて、妹は反対派にいるんだけれども、その事実を妹に言っていないらしく、これはマリアとセラを彷彿とさせるなーと思うところですね。

それと、アニルの能力は炎使いということで、今までも炎使いというワードは出てきていたものの、判然とはしない感じでした。これ別に炎を駆使する訳ではなくて、逆に大気の制御?で氷を使う能力っぽいです。

錬とサクラの戦闘もありましたが、この2人の能力は悪魔使いって言うらしいですしね。にしても、読者は分かるけど、当事者同士だと敵味方とか情報がないが故に戦ってたりするんだなーと。

今回の構図ですが、シティ・ニューデリーと融和関係を結びたい賢人会議と、マザーシステム推進派を護衛するイル、兄姉を助けたい錬+アニル寄りなヘイズ(元々の目的はアリスを探す)、これに加えて少しややこしいのが、シティ・マサチューセッツからニューデリーを疲弊させる為に派遣されたクレアというところでしょうか。

さらにややこしいのが、今回の真昼考案の賢人会議の動きは、表向きは推進派のアニルを捕縛しようとしながら、敢えて作戦失敗をすること。まだ反対派を信じきれていないからというのと、自己犠牲だけでは賢人会議という組織が立ち行かないという思いがあったからというのは納得でした。

ただ、状況を見るとアニルが寝返った理由が、自身をマザーコアに捧げる為というのなら、賢人会議はアニルと敵対理由はなくなるんですよね。そうすると、ここで浮上するのがマサチューセッツからの刺客クレアで、今後どう動くかに懸かっているのかなーと思います。

そのクレアですが、ディーと再会するものの立場的にまた敵になってしまうのが苦しいところでした。本心はディーに会いに来ただけなのに。そしてまた、クレアはイルに会って、ディーに付くことに対して釘を刺されてしまうと。ディーが人を殺したを知って、どう感じていくのかも注目です。

今回のbest words

貴方が考えた、貴方の作戦のおかげで、とても、とても、とても忙しい (p.29 サクラ)

あとがき

サクラと真昼と子供達のやり取りや、ヘイズの借金と錬からの報酬決めのシーンなど、挿絵含めてコメディーパートがあったのが新鮮でした。

錬と真昼&月夜のエピソードが所々出てたのが何らかの伏線になるのかどうか。

というか口絵3枚目、ヘイズがクレアを襲ってるようにしか見えない件についてw