心和のラノベ感想

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ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師 感想

ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師

今回は、ブギーポップ7巻です。

帯に謎の言葉が並んでいるんですが、本当にアイスクリームの話でした笑。突拍子なく始まるアイスクリーム販売ですが、しっかりブギーポップや寺月やスプーキーEが出てきたりするので安心を。

あらすじ

亡き軌川典助の屋敷を訪れた寺月は、床下に幽閉された軌道十助を見つける。十助は、体表が緑で世間知らずの少年であったが、人の痛みを解しその人に適したアイスクリームを作るのが得意だった。

寺月は、十助の為にアイスクリームの会社を設立。楠木玲を仲間に引き入れながらスタートした店は、最初こそ敬遠されたものの、徐々に味が評判となり軌道に乗っていく。

また、取材に現れたパッとしないアイドル古北園子も、その店の虜となると共に自身の仕事も見違えるように増加する。しかし、寺月の死亡、玲の脱退、そしてスプーキーEの介入によって、事態は急展開を迎える。

感想

やっぱりブギーポップって不思議な物語だなぁと思います。前半は、何か急にアイスクリームの話になったぞということで、シュールな面白さが続いていて、でも終わってみればしんみりした感じになるというか。正に苦くて甘いような…笑。

まぁ、結局は大枠的に全てが統和機構による実験だったのかな。十助という朴訥とした少年の栄光と没落の話とも言えるけれども、十助の肌は何故か緑色で血は蒼色で失敗策と言われ、脇にはスクイーズ等の合成人間が潜んでいた訳で。

ノトーリアスICEというのが十助の本当の名前のようで、In Complete Error(失敗作)とアイスクリームを掛けてるって感じでしょうか。最後は、人の痛みを引き受ける能力やらほぼ透明化したりとてつとない運動神経を発揮していましたが、ブギーポップには見逃されたっぽいですね。中毒性云々の話はどうなったかは定かではないですが…。

それから、十助と飛鳥井仁の交流であったり、今は凪の所で引き取られて料理学校に通っている織機が出て来たりしたのも嬉しかったです。害がなさそうであれば再登場もあるんだなー。

人に優しくするのは簡単だ。そいつのことを何も知らなきゃいい__という言葉が印象的でした。

今回のbest words

真実はいつだってシンプルなところにあるんですよ。常に原点は大切なのです (p.313 軌川十助)

あとがき

この作品は、一般的な目線と独創的な目線の両側面の表現があるのが凄いなーと思います。

典助の過去なんかも気になりますが、分からない部分があって不気味なところもまた良いと言えてしまうなぁ。