今回は、ブギーポップ5巻です。
天才、寺月恭一郎が遺した建物に多くの人が閉じ込められ、内なる歪曲王に出会っていくというような話。ブギーポップが序盤から出てくるのは珍しかったです。
あらすじ
様々な分野で多大な貢献と進歩をもたらした伝説的人物、寺月恭一郎が最後に遺した建物ムーンテンプル。その日、この建物の見学イベントが催され多くの人が詰め掛ける中、窓のない建物内で、人々は昏睡状態に陥ってしまう。
それぞれが別空間へと誘われそこで歪曲王と対面していた。
『我が名は歪曲王。世界を黄金に変えるべく生まれたのだ__』
感想
恐竜バックでブギーポップという表紙ですが、読んだ後だとこれ"ゾーラギ"だ!って分かる笑。少年が父の絵を書く時間で恐竜を描いてしまうのは普通にありそう…。
今回もそれぞれの視点があって、時間毎に章が変わる構成。そして、相変わらず藤花さんは待ち合わせ場所に来ない笑。
歪曲王ですが、文中で二重人格に触れる部分があって、それに近いような、自分の中にそれぞれ存在するものが出てきたもの、みたいな存在のようです。または、その人の願望が生み出した者というか。
実際には、寺月は統和機構の回し者だったらしく、試練を与えた上で何かしら素質がある人を見出す為のムーンテンプルだったと。それに、歪曲王というマンティコア絡みでつい最近に生まれた存在がこれ幸いにと、集団の歪みに関する実験を行なったという組み合わせだったようです。
でも、結果だけ見ると歪曲王って別に悪い事してたかと言うと、現時点ではその人のトラウマ克服に一役買ってたりで寧ろプラスだったような気もします。事実、ブギーポップも途中まで手は出せなかった訳ですし。
また、ブギーポップの戦いですがいつも通りワイヤーでした。ゾーラギは歪曲王にとっても不測の事態だったみたいですが、すげぇやブギーポップ。
因みに、時期的にはバレンタインのようで、新刻敬が失恋を吹っ切れる場面もありました。それから、凪と健太郎の出会いの話も。
今回のbest words
知恵と勇気があれば、この世にできないことなどないのさ。みんな忘れているがね (p.191 ブギーポップ)
あとがき
よく考えてみると、ムーンテンプルって安直なネーミング笑。
この作品、適当なようでいてやっぱり面白い。