心和のラノベ感想

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狼と羊皮紙Ⅷ 感想

新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙


今回は、狼と羊皮紙8巻です。

コルが昔苦渋を舐めた大学都市が舞台でしたが、薄明の枢機卿となったコルが悪癖を糺していく様は良かったです。まぁ、カナンが最強なんですが…。

あらすじ

ラウズボーンの大聖堂に教皇庁の使いがやって来る。それは、公会議にコルの出席を求めるものであった。公会議とは100年に一度開かれるかどうかという、教会内でも最高の権威をもつ会議で、ある意味教会と王国の争いに終止符を打つチャンスでもあった。

コル達は、博士たちとの情報交換や用紙の買い付け、砂漠の地へのヒントを探りに、パスロエ以南の大学都市アケントを訪れる。そこでは、教科書の選定を巡って学生らの対立があり、そこで賢者の狼ルティアに出会う。

感想

まず序章と第一幕の最初辺りは前巻の内容に入れて欲しかったなーと思いました。誘拐されたコルを過大に心配していたミューリですが、赤い糸でコルを繋ぎ止めるのが可愛すぎました。それから、印刷の方も順調なようで。

今回の舞台は件のアケントだったんですが、そもそもそんなに南の方だったのかというのに驚きました。それから、当時と変わらず教科書の博打だとかパシリみたいな悪癖は残っていたらしく。

そこで戦うルティアと出会う訳ですが、このルティアがミューリと同族だったと。ロレンス達も狼の化身に出会ってる分そんなに驚きはなかったのと、長生きしてるって訳ではなく。そう言えば、ホロの事を何だかんだ打ち明けてなかったですけど、ホロの仲間の子供パターンって話はないんかな。

アケントにあった金持ちの生徒と教師の癒着などの問題も、全てカナンが対応してしまったのは面白かったです。カナンが男で良かった。

今回の大きな点は、ミューリが旅の終わりを悟って安直に旅を長引かせようと踠いたところでした。香辛料との違いは、ミューリの方がコルに付いて行っているという関係性なんですよね。

そしてこれは、自分の行動の矛先を失ったルティアの心情と重なる部分があった訳ですが、最後に地球が丸いかどうかの調査をコルがルティアに依頼することで丸く収まったようで。ある意味で、今作の大きなテーマの丸投げにも成功と笑。

今回のbest words

いえ……もう少し叱っていただけましたら助かります…… (p.120 コル)

あとがき

今回は寄り道寄りの話でしたが、コルとしても苦い経験のあった大学都市の風紀を正せたのは良かったのではと思います。

次回は公会議