心和のラノベ感想

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狼と香辛料ⅩⅨ Spring LogⅡ 感想

狼と香辛料ⅩⅨ Spring LogⅡ


今回は、狼と香辛料19巻です。

香辛料の18巻以降はずっと短編集になるようですが、表紙にロレンスが入るようになったのが良いですよね!昔のようにロレンスもやられっぱなしではなくて、でもやっぱり終わりを考えてしまうと幸せな湯屋の生活も味気なく思えてしまうホロが良かったです。やはりこのロレンスとホロのコンビは面白いですね。

感想

〜狼と花弁の香り〜

回想パターンで、ロレンスとホロが旅をしていた頃の、新着任の若き女領主の村で厄介な花と水車と石臼の問題を解決する話。

嫉妬するホロが可愛い。そして、ホロの尻尾で毎晩暖を取るロレンスが羨ましい。放っておくと自然発火する花を香油に変えるという、厄介者を利益に変換する商魂と機転は素晴らしい。

〜狼と甘い牙〜

羊皮紙的な展開。ミューリの破天荒っぷりと実は気が効くところ、コルがそれを見誤って喧嘩っぽくなりつつ、コルが身を挺して機嫌を回復させる感じ。どうにも、支倉さんは主人公を完璧主人公の造形にはしない部分があるなと思いました。

やんちゃぶりから仕事を逆に増やしてしまったりするミューリですが、湯屋の客からは名物的なもので、適材適所というか何というか。蜂蜜酒をコルのために作ろうとしたのを、先の失態を反省もせずにとコルが叱ってしゅんとなるミューリに、コルが自ら蜂の巣に出向いてと。勇み足で物事を捉えることを諌める話かな。

〜狼と羊の毛づくろい〜

前回の祭りの続きの話で、道中出会った羊飼いに羊を一時任されて、ホロが羊飼いの真似事をする話。最初は中々上手くいかないものの、羊にもリーダーがいてその統率者を従えれば以下もそれに続く、ということらしい。物の見方を変えよう、な話。

わっちゃあ、ぬしのなんじゃ?に対して、俺の可愛い自慢の嫁さんだよと答えられるようになったロレンスが強い。

狼と香辛料の記憶〜

狼と香辛料亭で、セリムを雇うことになってからのあれこれ、ホロ目線。セリムも狼の化身な訳ですが、少しドジなところはありつつも真面目で不足はないようで。ロレンスが気を遣って、失敗続きのセリムを、近くにいる兄達の元へ再会に向かわせるのは優しい。何だかんだ血縁者に会うのは悪いことではないと。

ホロは、逆にセリムが事件を起こしてくれた方が記憶に残って良いと考えつつも、特には起こらず。どうしても無限の時間を生きるホロにとっては、マンネリ化というのは避けられないもので。

そこで、ロレンスは日々の日記を書くことをホロに勧めて、目の悪いホロに眼鏡を買う為に、特権状の仕事に奮闘していたと。Sring Logって、春と温泉を掛けてたのかー、なるほど。

ホロが如何にロレンスが好きなのかが読んでいて滲み出ていたのが良かったですね。勿論ロレンスも首ったけなんですが笑。ホロが眼鏡を掛けてロレンスを見たら、より好きになるんだろうなぁと想像できてニヤニヤ。

今回のbest words

俺はこの先もずっと一頭の狼だけをみてればいいんだから、楽なものだ (p.154 ロレンス)

あとがき

面白かったです。先が気になって読み進められるのは良いですね。

鳥の化身というハンナさんの話も見てみたいなー。