心和のラノベ感想

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狼と羊皮紙Ⅳ 感想

新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙


今回は、狼と羊皮紙4巻です。

帯の通りエーブが登場し格の違いを感じましたが、またかなーり複雑で入り組んだ話になっていたので、楽しめなかったですね…。コルが名前負けしてるのも厳しい。

あらすじ

ウィンフィール王国第2位の都市ラウズボーンへとやって来たコル達は、いきなり徴税人らに身柄を拘束されてしまう。そこで出会った人ならざる者であるシャロンは、捨て子の原因となった教会への復讐を考えていた。

ラウズボーンでは、戦争を起こしたくない国王と教会から税を徴収する徴税人と商人の手を借りる教会、そして国王の位の簒奪を目論む第二王子という焦臭い状態となっていた。そこへ、大商いの匂いを嗅ぎつけてエーブが現れて…。

感想

今回は面白くなかったですね…。徒にページを増やして物語を複雑にするにも関わらず、変わりゆく展開の中であまりにも説明が少ないせいで分かりづらかったのが大きい。

この複雑にするだけ複雑にして、でも最後はあっさり逆転して丸く収まるパターンが支倉さんの著書では多いんですが、もう少し話の流れを追いやすくしてくれればなーといつも思います。多分頭が良いからこそ物語を沢山紡げるとは思いますが、状況の説明をもっとして欲しいんですよね。ミステリーとかでもないので、何も考えずに読めれば良いんですが。

それから、ストーリーに頼り過ぎるとキャラがさらに弱くなるという現象も起きる訳で。今回は、コルとミューリのやり取りも控えめでしたし。エーブ出しちゃうとコルが霞んでしまうという問題もあるんですよね。

というか、ホロが後ろに控えてる時点でエーブが本気を出す訳ないのでまず冷める。それに、聖職者を目指すコルの話にエーブをしゃしゃり出す必要ってあったのかなーと。そもそもが、エーブのここ10数年の話をほとんどしないままに、表舞台に出すのも気に食わない。かなり成功を収めてる筈なのに、今回の件に出張ってくる理由も弱い気がする。それに、最後は噛ませ犬っぽいし、全盛期はもっと暗躍してた印象があったんですが…。

今回の人ならざる者枠は、鷲のシャロンでした。婚約をしない筈の聖職者の隠し子とその母の末路の話は酷い話だなと思いました。けれども、シャロンの父は完全に悪ではなかったようですが。

今回のbest words

私のことをぎゅーっとする係り (p.233 ミューリ)

あとがき

自分のしてきたことが思いもよらぬ影響を与えていた、というのは恐ろしいなーと思いました。また、自分目線の正しさが他の人にとってどうか、自分の目の見える範囲以外でも色々な事が起きているということを理解することは大事だなと。

ミューリはコルのこと好きすぎでしょ笑。