心和のラノベ感想

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狼と羊皮紙Ⅲ 感想

新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙


今回は、狼と羊皮紙3巻です。

人ならざる者のオンパレード+騙し合いの様相となっていましたが、とても面白かったです。コルとミューリの関係性の安定やコルの復権、物語の目的が分かりやすかったのが良かったかなと思いました。

あらすじ

嵐に遭いウィンフィール王国のデザレフという港町に着いたコル達。船の補修の為暫く投宿することになったこの地で、イレニアという羊の化身に出会う。月を狩る熊がいるとされる西の地で、人ならざる者たちが暮らせる国を作るという壮大な計画を語るイレニアに協力し、教会の徴税に立ち会うことに。

そこで、司教が本物の司教が逃げ出した後に立てられた偽物である事が分かり、逆に教会粛正の流れに怯えているという。お金は既に持ち逃げされた後だと言う司教に対して、作り話の可能性も考慮しつつ、コル達は教会の隠し通路から聖遺物などを見つけるのだが…。

感想

今回は面白かったですね。勿論これまでの話を踏襲して、オータムなんかも活躍していたんですが、騙し合いの展開で終盤は驚きの連続でしたし、話がどこに向かっているのか理解しやすかったので、のめり込めたのかなーと思います。

オータムの名前を出しましたが、今回は羊のイレニアを始めとしてヒルデや鳥や勿論ミューリといった人ならざる者が話にかなり絡んでいたのも良かったです。

イレニアが語る人ならざる者の国というのはまだ夢物語ではあるとは思いますが、ミューリが前に不安気に耳や尻尾を隠さないで済む場所はあるのか、と言っていたのも踏まえて、この作品でこの問題にどこまで踏み込むのかというのが今後楽しみになりました。教会も大いに絡む話になりそうですし。

それから、コルが1.2巻と個人的には情けなく映っていたのですが、今回はよく頑張っていて応援できましたね。薄明の枢機卿なんて通り名が生まれていたようで笑、名は体を表すといった感じかなと。1.2巻で確かに結果的には凄いことをしているんですが、実情はそんな感じじゃなかったけどなとは思いつつ。

ミューリとの距離感についても、アプローチに対して、兄様という呼び名を変えるべきではと煙に巻いていたのも良かったです。ようやくこの2人のやり取りも安心して見ていられるようになってきた気がしました。

今回の話は、信用とか信頼があればそこまで難しくない問題だった気がしますが、色々な思惑が絡み合っていたんだなーと思います。そう考えると、ホロの嘘を見抜く能力がチートだったんだなと笑。

町の商会が教会への糧食の納品の帰りに物を盗んでいて、教会から隠し通路によって徴税したコル達がその魔の手に掛かって、火をかけられ冤罪をなすりつけられそうになりながら、聖遺物によって助かったという感じでした。

聖遺物って本当に効がある?と勘違いしかけましたが、それは石綿という石から作られる布らしい。最近は健康被害があると敬遠されていますが、今回は火に対して熱くならないという性質で窮地を救われるという。奇跡とはいつだって、まさか、を伴うものだというのはその通り。

イレニアがエーブに関わりがあるのも驚きでしたが、ご都合主義とは言え最後に2人を守って死ぬ展開にならなくて良かったなーと思います。

今回のbest words

私が好きなのは兄様だもの。他の誰と結婚式を挙げるの? (p.76 ミューリ)

あとがき

今回の話はまさに冒険といった感じで良かったです。嘘から出た真は実はコルの方かも?

やはり勧善懲悪であって欲しいものです。