今回は、狼と羊皮紙5巻です。
騎士団絡みの話で、今回も深刻な展開になりかけましたが、久々のハスキンズの登場で月を狩る熊関連の話が少し進展したり、コルとミューリの関係性に新たな呼び名が生まれたりと、そこそこ楽しめたかなーと思います。
あらすじ
シャロン達が修道院に収まる中、コルとミューリは自分たちの紋章を作ることに。ハイランドに協力してもらいつつ、コルはミューリとの続柄を問われ返答に困ってしまう。紋章についての情報を得る為、黄金羊ハスキンズのいるブロンデル修道院へ向かう。
その道中で伝説の聖クルザ騎士団の見習い騎士ローズに出会う。異教徒との戦争が終結した現在では、騎士団は教会からも国王からも必要性がなく立場的にあやふやな状況であった。騎士団の存在意義と戦争の火種となり得る要因の登場にコル達は巻き込まれていく。
感想
序盤はコルとミューリの交流成分が多くて良かったです。結局二人の紋章がどうなったかは分かりませんでしたが、ミューリはコルの騎士という立場に落ち着いたようです。ま、呼び方は変わってないですけど。
ハスキンズに会いに行った理由が、紋章の由来の話などを聞きに行くのが主目的ではあったものの、実は月を狩る熊についてミューリは聞きたかったらしい。
この作品を読んでいて、月を狩る熊関連の話が出ると面白いなーと感じます。香辛料の方で明かし切らなかったからかも。確かに昼間は何してたのかとか、人になれたのかとか何故他の人ならざる者たちを蹂躙したのか等気になります。熊の紋章がないのも不思議。
中盤以降は、騎士団の話になってまた焦臭い展開になっていました。戦争が終わると騎士団の居場所がなくなるというのは、何とも言えないなーと。戦争はない方が良いけれど、戦争で飯を食っている人達もいる訳で。
最終的には、薄明の枢機卿たるコルが騎士団を好敵手と認めることで、騎士団を生き存えさせる方法もあったものの、騎士団が教会の風紀を糺すと宣言したことで、話は丸く収まったようです。あったものを丸ごと無くすというのは難しいんだろうなと思いました。
ハイランドは良い人！
今回のbest words
ひ、ひゃいあんほはは…… (p.44 ミューリ)
あとがき
一騎当千の話で計算ミスするミューリが山田エルフっぽくて良かったです笑。
筆者あとがきを見てると締切と戦う作家って大変だなぁと思いますね…。
