心和のラノベ感想

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狼と香辛料ⅩⅤ 太陽の金貨〈上〉 感想

狼と香辛料ⅩⅤ 太陽の金貨〈上〉


今回は、狼と香辛料15巻です。

最終章と銘打たれた上下巻の上巻。今回の話は貨幣に纏わることで、1巻を思い出すと共に理解しやすい内容だったので面白かった!貨幣の種類は少ない方が楽だと思いますね…。

あらすじ

コルらと別れて再び二人旅となったロレンスとホロは、ホロの仲間であるミューリという名を冠する傭兵団への接触と、デバウ商会の管轄するレスコを訪れる。

あまり情報がないことに加えて、戦争が起きる気配を察知して訪ねたものの、いざ町に着くと穏やかなばかりか、自由な気風が溢れる活気づいた地であった。移民が多く規制もないだけでなく、貨幣の交換比率も他所へ運ぶだけで儲けになるほどのもので、デバウ商会の狙いが掴めずロレンスは困惑する。

感想

狼の香辛料という作品は、これまで町を転々としながら大きな渦に巻き込まれるという展開が多かったと思いますが、今回は、着いた町の特色が強めに出ていたので、ある意味キノの旅みたいな面白さがありました。

コルとの別れが呆気なさ過ぎてびっくりしたのはとりあえず後にして、今回のロレンス達はとにかく景気が良かったですね。戦争か、という雰囲気があった中でめっちゃ平和だったので、そこも驚きでした。

レスコという町ですが、外壁がないのに加えて、徴税吏もなしで商売が自由。鉱山関係でウハウハなデバウ商会は金貨があり過ぎて、逆に普段の取引で使えないから町では銀貨が必要になる訳ですが、その交換レートが他国に比べて銀貨7枚分くらい少ないということで、レスコで金貨を仕入れて他国で両替するだけでボロ儲けという状態らしく。

そんな地では群蟻附羶かと思いきや、場所柄か情報が出回っていないからか商人も少ないというから凄い話。売っている商品も高品質でしかも安い。そんな商人にとっては天国とも言えそうな町の話で、でもデバウ商会の目論見が見えなくて不穏…という感じでした。

それで、話が動く前にミューリ傭兵団のことですが、これは結局ミューリ本人ではなかったものの、ミューリが創設に関わっていたという話でした。ミューリの爪と対面したホロは大分気落ちしていましたが、ロレンスが町に連れ出したりしたことで、そこまで感傷的にはなっていなかったようです。

それに、傭兵団のルワードやモイジと親しくなれたのも話の中では大きかったと思います。まぁ、今回の話の流れだと傭兵稼業も商売上がったりという感じでしたが…。

デバウ商会は先入観で悪いと思っていたものの、結果としてロレンス達にとっては朗報続きといった感じで、新規通貨発行を直前に見抜いたロレンスは、ホロと歩む町商人としての一歩を踏み出した所はグッとくるものがありました。

でもこれが上巻なんですよねぇ…。順風満帆過ぎて何か起こるのではという気持ちの中で、最後にコルの頭陀袋が目の前に……。まさかそっちの方は上手くいかなかった的な??とても不穏な終わり方に次回が気になる。

今回のbest words

商いの重要な格言だ。互いによい商いだと思っていたければ、どちらがどれだけ儲けたかは知らないままがいい (p.95 ロレンス)

あとがき

内容も面白かったんですが、ちょいちょいこれまでの話を踏まえたやり取りや会話が出てくるのが堪らないですね!ロレンスが自分の持つ建物を夢見て絵を描いたり、商売事になると我を忘れるロレンスをホロがそんな姿が好きと言ったり。いやでも、ロレンスの成長は本当に感じるところですね。

是非ノーラはレスコに来て欲しい!笑

ロレンスの店の名前や仔の名前もどうなるかなぁというのはまだ皮算用かな。