心和のラノベ感想

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狼と香辛料ⅩⅧ Spring Log 感想

狼と香辛料ⅩⅧ Spring Log


今回は、狼と香辛料18巻です。

久々の狼と香辛料シリーズで短編集。ニョッヒラで湯屋を開いてから十数年後のお話。ワールドエンドエコノミカの熱量からすると物足りなさもありましたが、狼と香辛料らしいロレンスとホロのやり取りを思い出して、嬉しくもなりました。

んん、ロレンスが表紙に出るのは初か?!

感想

〜旅の余白〜

最初のホロが棺桶に…というシーンには驚かされましたが、これは後ほど演技と分かるので一安心。いや、普通に悪い冗談じゃ笑。ただ、逆にロレンスとホロがずっと一緒にいられないのも分かりきっているので、うーん。

ニョッヒラに宿屋を構えて、十年は経っていて、あっさりミューリという娘がいるとまず分かりますが、さらに驚くのはコルと駆け落ち的に、旅に出ているということ。狼と羊皮紙ってこの2人の話なのかーとここで初めて知ったという。

コルとミューリがいない事で、今回の短編は最後の1つ以外はロレンスとホロの話になるので、そういう意味では良い人数調整か。基本的に2人の立場は変わってないですが、ホロの深淵さは少なくなった気がするのと、何よりロレンスの親バカ感が凄い笑。ミューリは、ホロ似なようなので余計にですし、求婚する少年まで現れたりも。

〜黄金色の記憶〜

狼と香辛料亭に、お金だけ金貨を払って、温泉にも浸からず朝の弁当だけ要求するという変わった客が来る話。他の宿屋も点々として来たらしく。

その客は宮廷料理人で、昔飲んだ酒を探していて、教会文字でないと言葉が通じないからこそ怪しい客に見えていたことが分かって、最終的には満足させる事に成功する。硫黄が少し混じったニョッヒラ特有の水が正解だったと。シンプルに良い話でした。

〜狼と泥まみれの送り娘〜

ロレンスとホロが久々に町を出て、スヴェルネルへと行く話でいかにも狼と香辛料らしい話でした。起きる問題を解決したり、人ならざる者が絡んだり。

デバウ商会の件も繋がっていて嬉しく思いましたが、特権状と新たな銀の採掘場の発見で焦臭くなりかけつつも、一芝居打って奇跡(あるいは呪い)を演出して万事休す。アラムとセリムという狼の眷属も出てきて、セリムの方はロレンス達の元で、ミューリらの空いた穴を埋めてくれそうですね。

〜羊皮紙と悪戯書き〜

コルとミューリの話。ミューリのお転婆具合が分かります。そんで、ミューリはコルを兄様って呼ぶんだなぁ。コルはコルで、ミューリにキュンとしてそうです笑。

ミューリが生まれた時にはコルは既にいたと思いますが、この2人の旅がどういう方向に向かうのか楽しみです。

今回のbest words

この世に二人しかいないような気になるせいかもしれない (p.211 ロレンス)

あとがき

何だかんだ変わらない関係を見れて良かったです。飽きないうちに別れた方が良いと言っていたのが嘘のようで。

しっかし、今後の狼と香辛料はまた旅に出ていく話となるのか、過去話とした上で色んな町や人に出会う話となるのか。