心和のラノベ感想

1ヶ月15冊読了目標!

友達の後ろで君とこっそり手を繋ぐ。誰にも言えない恋をする。3 感想

友達の後ろで君とこっそり手を繋ぐ。誰にも言えない恋をする。3


今回は、友誰3巻です。

まずは帯に書いてある通り、このラノ新作部門4位はおめでたいですね!僕も推してる作品だったので、嬉しさと少し寂しさもありつつ(自分だけが知ってると感じられない的な意味で)。

最終巻でしたが、純愛という意味ではハッピーエンドでした。380頁の中の300頁辺りで完全崩壊からのラストは、賛否があるかも。

あらすじ

相変わらず純也と夜瑠の関係は、5人の仲良しグループの中では友情と恋愛の狭間で切り出せないままでいた。しかし、純也を振り向かせたい火乃子は、新太郎を焚き付ける一方で、自身は友情を盾にする純也に対してギリギリのアプローチを続けていく。

徐々にエスカレートするアプローチを受けて、純也は幼馴染みのめぐみを彼女として火乃子を振る。自暴自棄となった火乃子は、偶然会った青嵐をラブホに誘い…。

感想

薄氷の上を歩き続けてきた物語も、遂には決壊を迎えてしまいましたね…。本当に登場人物が5人ともに魅力的で、展開も危うくなりながらも瑕疵なく進むので、とても読みやすい。

結局のところ、夜瑠がモテモテだったんだなぁ…。おとなしめな新太郎が激情したり、無性愛者の青嵐がしっかり恋愛に絡んできたりも驚きでした。

5人それぞれが心暗いところを持ち、秘密を抱えていたが故にお互いを責め合うシーンには辛い部分もありましたが、でも純也と夜瑠の関係はみんなやはり薄々気付いてたみたいですね…。

バラバラになって、それでもまた5人が集まって親友に戻って、親友というのは離れていても集まったらまた昔の関係に戻れることだと純也が気付くのは良かったです。べったりつるむだけが友情ではないと。

ただ、個人的には純也と3人の関係性が以前に比べて薄いものになるのは分かるものの、夜瑠とも距離を置くのは少し違和感があったかなぁとも思いました。ま、真の友情の意味を識った上でも抑えきれないのが純愛であり、時が流れても変わらないのもまた純愛という演出な気もしますが。本当の純愛はキラキラしていなくても、ここだけは救いがあっても良いのではと。

あとは、関係性の核心を描いているだけに、夜瑠のギャップある発言や純也の馬鹿発言が少なめだったのは残念ではあったかなぁ。新太郎や青嵐が語る純也の過去話はどれも面白かったですが笑。それに、火乃子が可愛かっただけに、夜瑠の魅力が押され気味だったのも少し気になるか。マレーシアのバトゥ洞窟にあるスカンダ像の例えは謎過ぎて良き。

とは言え、刺激的な展開と絶妙なバランスとキャラクターの魅力が詰まっているので、面白いことには変わりなかったです。

今回のbest words

人間は日々、成長していくのです。なぜなら時は常に流れているのだから (p.370 夜瑠)

あとがき

3冊の間に色々なことがありましたが、その中でもしっかり登場人物たちの成長が感じられて嬉しかったですね。夜瑠の家庭環境なんかも大分改善してそう。

まだまだ見ていたかったものの、次作も似たようなテーマで書かれるそうなので、それを心待ちにしていようと思います。