心和のラノベ感想

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マグダラで眠れⅥ 感想

マグダラで眠れⅥ


今回は、マグダラで眠れ6巻です。

前回出てきた古代のヒントを探す内に、金や銀を生み出す灰の伝説を聞いてそれを探りつつ、市壁で分断された恋に巻き込まれるという話で、中々面白かったです。

あらすじ

異端審問官アブレアの遺したものを求めてヤーゾンという町を訪れる。そこでは、森で貴族の許しを得て暮らす硝子職人らの影響もあって、物価が高騰していた。

クースラは伝説の灰の噂を追う中、町の薬種商の少女と硝子職人の恋に巻き込まれていく。

感想

結局4人で行動することになってる訳ですが、イリーネが可愛かったです。恋がしたいーとクースラに言いながらクースラのことを好いていたらやばいなぁとか。でも、重いとか男のように扱われたり、ウェランドにちゃん付けで呼ばれたりと意外に扱いは雑なんだよなぁ…。

前々から姐御肌な感じでクースラに助言をくれるような立ち位置なんですが、ちゃんと思ってることを伝えるべきというのはその通りだなと。

逆に言うと、クースラの陰キャ感が際立ってるのが面白いんですけどね笑。職人の格好にドレスアップしたフェネシスに対して、似合ってると言い出せない。これ書いてて改めて恋愛初心者かって感じ笑。色々フェネシスにちょっかいを出すのも、よくある構って欲しさの裏返しですもんね…。それに、下ネタが多めなのもうーん若さというか何というか。

結局、最後でクースラがちゃんとフェネシスに褒め言葉を言えたんですが、今回出てきた薬種商の娘ヘレナと壁を隔てて愛し合う硝子職人のリヒトというキャラが出てきた事が大きかったですね。

今回の錬金術師テーマとしては、惚れ薬とか硝子とか灰といったところですかね。惚れ薬が使用されることはなかったものの、用途として惚れさせる以外に使えるという部分が示されて、正に薬にも毒にもなるんだなと感じました。

灰に関しては、金銀を直接生み出すものではなかったものの、間接的には硝子を作る際のコスト減になるため強ち間違いでもないか。イノベーションは他業種の掛け合わせで生まれるって話ですね。だから話し合いをしましょうと。

結果として、硝子職人と町でwin-winの関係が作れたから、諍いは無くなったという形ですかね。ある意味で、生まれた身分からの宿命を打ち破ってマグダラを手に入れたヘレナとリヒトのお話だったという。

今回のbest words

その格好も、それはそれでいいと思う (p.279 クースラ)

あとがき

良い話ではあったものの、本筋からは少し逸れた気もするので、また次回はフェネシスの同族やオリハルコンを探す旅になるかなー。

適度な緊張感と軽快な掛け合いがあると面白く感じますね。