今回は、狼と香辛料16巻です。
最終章の上下巻の下巻。意外とあっさりなんですがほぼ最終回と言っても良さそうです。後日談等はこの後も必要だとは思いますが。
あらすじ
コルの頭陀袋を持って来たのは鳥の仲間を持つ、兎でありデバウ商会の会計を司るヒルデという男であった。ヒルデは、デバウ商会の中で欲に目が眩んだ勢力から追い出され、その勢いを止める為に鉱山開発の禁書が必要であるという。
悩みながらもヒルデに協力することにしたロレンスは、禁書を持ち出すためにホロを走らせる。状況は悪化しロレンスは身の安全を優先し始めるが、ヒルデの知略によってルワードらと共にデバウ商会に敵対するスヴェルネルという地を目指すことに。
感想
コル達に何かしらトラブルが起きたのかと思ってヒヤヒヤしたものの、実際はある意味人質的な感じで、物語の中でもコル達がどうなったか触れないまま、ロレンス周りの状況だけ描かれる感じでした。
今回も話が大きくなり過ぎていたので、ロレンスの出番はないかなーと思っていましたが、一応最後にはホロと共に一矢報いてたので主人公してました。テーマとしては、金で解決出来れば万事上手くいくこともあれば、無慈悲に物事を進めてしまうのもまた金の力なんだなぁというのを感じました。
中盤のフーゴ傭兵団の裏切りのシーンは中々ハラハラして面白かったです。商戦だけではなくて、しっかり傭兵の戦いも見れたと。でもやっぱり商人の強さが一番描かれていたようにも思います。
あとは、ホロと一旦別れたロレンスが寂しがるのと、戻ってきたホロが人目に付かない所に移動して、ロレンスに抱き付くシーンも良かったです。何かホロの甘さが短編集以外にも見られるようになってきた気がする笑。最後ホロがミリケから酒を貰ってくるのも、酒の勢いでそのまま…という意図を感じるなぁ。
そういえば、領主のミルケと言いヒルデも人ではないというのもびっくりでした。上手く人間社会に溶け込んでいるんだなと。ヒルデなんかはデバウ商会の右腕的存在ですし。
為替証書の話もやっと出てきましたが、デバウ商会は将来ちゃんと返せる分の金を溜め込んでいたのかどうか…。それと、千人隊長ってどうなったんですかね。
今回のbest words
私も、娘に化けられればよかったですかな (p.365 ヒルデ)
あとがき
表紙のホロが笑顔で良き。よく考えれば表紙はずっとホロだったな笑。
太陽の金貨というサブタイは確かに秀逸でした。太陽というモチーフも人物や道具よりも誰にも親しみがあるということで。