心和のラノベ感想

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狼と香辛料Ⅻ 感想

狼と香辛料


今回は、狼と香辛料12巻です。

銀細工師のフランというキャラが出てきて、ある村での迷信というか伝説を解明していく話でした。狼の骨絡みの話は継続のようです。

あらすじ

聖戦を企んでいるのではないかと疑われるデバウ商会に対し、ロレンスらは北の正確な地図を得る為に、フランという人物を頼ることに。その人物評はキーマン曰く"怪しげで関わらないほうがよろしい人物"、ハスキンズの仲間で絵画商のユーグからは"才能はあるものの気難しい人"らしい。

フランに地図の依頼をすると、金貨50枚という破格の要求をされてしまう。しかし、タウシッグという村の伝説の収集を協力することで無料でも良いと聞き、早速次の日一行はその村へと向かう。すると、そこには天使の伝説に加えて魔女の噂があるらしく…。

感想

幽霊の正体見たり枯れ尾花という言葉がありますが、今回の伝説はそれに近いものがありつつ、人の醜い欲が生んだものなのかなぁとも思いました。

まず、ケルーベに戻ってキーマンに再会するんですが、イッカクの件を経て何か良い関係っぽくなってるのが面白いですね。もっと言えば、ルウィック同盟のピアスキーとも情報共有しているようで、事件を通して人脈が増えていくってのは凄いことなんだなと思いました。

次にハスキンズの伝手で見た目は豚っぽいけど本質は羊のユーグに出会うところでは、まず看板を羊にしてるのが笑えます。

故郷の地が名前は変われど雰囲気が残っていればまだしも、鉱山開発などで見た目まで変わるのは、確かに寂しいところはあるのかなぁと思いました。その風景を絵として残すのも価値があるなと。

そして、フランというキャラですが、最初こそ食えない感じはありましたが、評判とは打って変わって実際には気さくで恋する?少女というのが分かってくる。しかも、戦闘知識を持つ従軍司祭らしい。

タウシッグ村ですが、テレオの時を考えると対比的に面白いかなと思いました。ただどこの村にも事情はあるようで、ここでは水車を作らないことが、伝説や魔女の噂に関わってくると。あまり込み入った話は分からないものの、教会勢力の隆盛と衰退に合わせて、長いものに巻かれろ精神で、自分達の利になる噂に身を委ねていた的な話みたいですね。

またホロが一芝居打って、伝説を演出したのもテレオの時に似ているかも知れません。聖女とか聖遺物とかもキーワードになってきました。

今回のbest words

お前が気に病むと、俺も気に病んでしまう (p.80 ロレンス)

あとがき

勇気のある血気盛んな者ほど早く滅びてしまい、臆病で小心者ほど生き延びるというのはそうかも知れないなぁ。

多分フランは地図を描いてくれると思いますが、今後どうやって聖戦に絡んでいくかな。