心和のラノベ感想

1ヶ月15冊読了目標!

狼と香辛料Ⅹ 感想

狼と香辛料


今回は、狼と香辛料10巻です。

やっぱり今作のテーマは"故郷"なんだなぁというのと、剣と魔法は出てこないけれども悪魔憑きというか、人に扮した人ならざる者が絡んでくる物語なんだなと思いました。

あらすじ

キーマンとエーブの紹介により、ウィンフィール王国のテイラー商会のドイッチマンを訪ねるロレンス達。狼の骨を買い付けたとされるブロンデル修道院への仲介を頼むのだが、王の悪政によって国の景気は悪化しており、修道院はルウィック同盟という大きな経済同盟による買収交渉の最中だという。

羊毛の取引が盛んなブロンデル修道院に着くと羊飼いが沢山いて、宿舎の縁から、その内の1人ハスキンズと接点を得る。ハスキンズによって一早く国王からの徴税の話を知ったロレンスは、ルウィック同盟を巻き込んで狼の骨の真相へと迫る。

感想

面白かったです。ホロがヨイツへと向かう上でロレンスは必要ないのではないか、という話が出てきたものの、ちゃんと今回は主人公してましたね。ホロが狼化してしまえば、前回も今回もそれで済んでしまうとは言え、自分の立場を踏まえてやれることをやる、理解者であろうすると。ホロがロレンスを名前呼びするのも珍しかった。

ルウィック同盟のピアスキーもシンプルに頭が切れるだけでなく、新たな故郷を作るような仕事をしているだけあって、ロレンスも引け目みたいなものを感じていましたが…。ここで、新たな故郷を作るという話が出てきたので、今後ロレンスが町商人となって側にホロがいて、そこがホロにとっての新たな故郷に…といった伏線なのかなぁという気もしました。

故郷というと、羊飼いのハスキンズも大きかった。ホロと似て実は人の形を取れる羊が正体という。前も、錬金術師の所で正体が鳥という年代記作家がいましたが、この作品ってそういう路線でいくんだなぁと。で、そのハスキンズは現在修道院を故郷としていて、ロレンスらはそれを守ろうと今回奮闘したという話でした。

面白いのが、ハスキンズはホロを子供と思うほどより長生きしているようで、羊でありながら人間の時は羊肉を食べる胆力というか慣れ?があるところ。狼の骨が同類だからと熱り立つホロとのギャップを感じました。

結局、修道院が隠し持っていた骨は偽物だったということで良いのかな。そうなると、今回の話で利益は出ていない?それでも、今後はルウィック同盟としては修道院の買収が成功して町を作るみたいな話になっていくんですかね。

今回のbest words

……お変わりなく (p.228 ロレンス)

あとがき

ハスキンズがロレンスに語ったヨイツの話は気になりますね。あまり良くない話っぽいですが…。月を狩る熊の話だけは有名なんだよなぁ笑。