心和のラノベ感想

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狼と香辛料Ⅸ 対立の町〈下〉 感想

狼と香辛料Ⅸ 対立の町〈下〉


今回は、狼と香辛料9巻です。

前回の状況を把握した上で今巻に入ったんですが、全然さっぱり分からなかった…。これもしかしてエーブがサブヒロインに擡頭してくる話??

あらすじ

ケルーベの南北の対立そのままに、北の権力者の為に暗躍しそれさえも裏切って利益を得ようと企むエーブと、ロレンスと同商会で町の南での勢力拡大を睨むキーマンとの間で板挟みに遭うロレンスは、逃げることを選択する。

しかし、ホロから発奮させられ気概を取り戻す。キーマンとエーブの情報伝達役として橋渡しをしながら、利益を探っていく中で意外な人物がイッカク争奪戦に名乗りを挙げるのだった。

感想

読んでいく中で何が分からなかったかを整理していきたいと思うものの、分からないが絡み合い過ぎて雁字搦めといった感じです…。全体を把握できたら、中盤で弱腰のレイノルズが夜中にロレンスを訪ねてきた目的とかも分かるんでしょうか。

さて、まずよく分からなった点として、イッカクの存在があります。確か北の船が捕獲して、それを南側が拿捕したという話だったかと思います。そもそもイッカクという海洋生物は、その生肉を食らうことで不老不死になれる?という貴族にとっては喉から手が出るほど欲しいであろう一品。

ということなんですけど、まずイッカクは今誰のもの?というのが分からない。漁師から買い取って貴族に高く売るってこと?でも漁師の物だったとすると、商人に売るより直で貴族に高値で売れば良い話だし…うーん。というか、キーマンが南の勢力の頭みたいに見えてるけど、別にそういう訳ではないんだよね…?

次に今回のロレンスの目的について。狼の骨の話を聞き出すことを第一として、あとは無事この騒動を回避してあわよくば利益に与るというところでしょうか。ただ、結論としては狼の骨の話は今回は一切絡まず、次回以降の話の種蒔きという意味合いが強かったのかなと思いました。エーブを助けたからこそヒントが得られたみたいな。

ホロという切り札があるからこそ強気に出られたロレンスだった訳ですが、今回は事が大きかったので、別にロレンスが出張る話だったのかなというのも思うところで。

あとは、キーマンがエーブを監禁して、終盤にレイノルズがイッカクを買おうと名乗りを挙げたところで、エーブが殺されかけるシーン。これも何でそこまでしなくてはいけないのか、キーマンに何の権力があってその行動を取れるのか、事後どうなるのかが分からなかった。いや、キーマンもエーブに取引の為に腹の中をある程度曝け出している分、背水の陣になっているということか。

レイノルズが私腹を肥やせた方法は、例の銅貨のトリックを応用して銅貨以外でも行なっていたのと、デバウ商会を絡めての脱税って感じか。それで、レイノルズをキーマンとエーブの利害が一致したところで共同で強請って最終的に三方利益を得たと。いや、ロレンスの分前はどうなんだろう…?

そんな訳で分からなかった部分も多いですが、当ブログは考察サイトではないのでお許しを。

今回のbest words

いつだって不幸が起きるのは疑念と勘違いからですから (p.139 ロレンス)

あとがき

エーブは中々に濃いキャラでしたが、ああなるまでに裏切りに遭ったり苦労したんだろうなぁ。

主人公になるって難しい。