今回は、野﨑まど劇場です。
24つの短編が入った今作。電撃MAGAZINEで掲載されていたものからボツになったものまで収録。ポンポン挿絵が入るパターンがやっぱり面白いですね。個人的には、将棋の話と物理の教授と茶道の御婦人の会話の話が好きです。
感想
〜Gunfight at the Deadman city〜
ガンマン同士の決闘。銃弾の数や方向を表す挿絵がどんどん変わっていく様が面白い。記号芸って感じ。
〜検死官 ゾーイ・フェニックス〜
この話はあんまりよく分からなかったので割愛…。
〜第60期 王座戦五番勝負 第3局〜
ルール破りの手が連発する将棋対決。こういうシンプルに馬鹿っぽいのが面白い。いきなり角で初手王手したり、玉の上に歩を置いてみたり、果てはボーリングの球で盤面破壊したりと無茶苦茶なんだけれど、冷静に解説してる様のギャップも良い。
〜森のおんがく団〜
ライオンとぶたとうさぎ達森のおんがく団がPとして魔女を迎え入れる話。平仮名が多用されて童話っぽいけど、内容はブラックでした。何だこれ笑。
〜土の声〜
陶芸家にインタビューする記者の話。アンジャッシュのネタのようなすれ違いネタ。
〜神の国〜
神々たちがお喋りする話。八百万とは言うものの、何でもありな神の存在が面白い。マックに寄る国主とか。
〜バスジャック〜
切り裂きジャックとバスジャックをかけただけの話。話の整合性の為に話を無理やり補強していくという。リレー小説みたいな感じ。
〜幻想大蒸気村奇譚〜
石炭しか取り柄のない村の町おこしを考える話。薄い字で蒸気感が出てるのと、蒸気肉まんという名のただの肉まんとか。
〜MST48〜
密室アイドルの話。メンバー名が個性的なのと、Mステ出演おめでとう。
〜魔王〜
魔王城にやってくる勇者のために、罠をどう設置するか側近と魔王が考える話。これもテンポ良く挿絵が入って、鬼畜な罠設置だったり、逆に3兆ゴールド用意して気前よくしちゃったり、普通に面白かったです。難しくしすぎて勇者が来なくなるのも存在意義が…みたいな世知辛い事情も含めて良かった。
〜デザインベイベ〜
出生前操作で生まれてくる子供を好きにアレンジできる時代のデザイナーの苦悩の話。黒木メイサっぽいんだけど、黒木メイサまんまじゃない感じにして欲しいみたいなリクエストがリアルで笑える。
〜苛烈、ラーメン戦争〜
売れるラーメンを考える話。味玉ばっかりで麺がなくなったり、スマホが水没して値段が上がったり笑。結局、ラーメンそのものではなくて加藤さんの付加価値オチ。
〜苛烈、ラーメン戦争-企業覇道編-〜
続編。これも挿絵ネタって感じでかに道楽は良かった。
〜西山田組若頭抗争記録〜
次の組長に誰がなるかとあらゆる若頭が名乗りを上げる話。お笑いを見ているかのような感じで、次々と名乗りを上げる若頭が徐々に変な奴になっていくテイストでした。
〜爆鷹!TKGR〜
小学生たちの間で大ブームの鷹狩り(TKGR)の話。鷹をTKと呼んで逆に呼び名が長くなっているのがご愛嬌。正に小学生らしさに溢れた展開でしたが、WS(鷲)出てきたか笑。
〜王妃 マリー・レクザンスカ〜
マリーが目の上の瘤ポンパドゥール夫人に仕打ちをする話。うげげげげとぐげげげげ。
〜暗黒への招待〜
白山羊が人気な動物園、白山羊嫉妬した別の動物担当の飼育員がダーク白山羊というコピーを創り出した話。最後はちょっとだけほっこりします。
〜妖精電撃作戦〜
電撃の缶詰を捨てる少年の前に電撃の妖精が現れる話。妖精が言った電撃文庫のタイトルは持ってるぜ^ ^ それから、僕は電撃の缶詰はちゃんと挟んだまま保管することにしているので、捨てるのが勿体無い気持ちが分かる。妹ちゃんはBL好きか…。スザルル。
〜第二十回落雷小説大賞 選評ー
タイトル通りで何人かの書評が出てくる話。にがりとにがうりね。
〜ビームサーベル航海記〜
アンドロイドと人類の戦争の話。発端がしょうもない笑。〇〇機能付きビームサーベルの幅が広過ぎィ。
〜魔法小料理屋女将 駒野美すゞ〜
売れない役者が遂に主役を掴み常連の小料理屋女将のに報告する話。女将が売れない役者の見えない所でプロデューサーに話をつけたんだろうけど、それを匂わせないところに奥床しさがあるって話かな。良い話じゃん。
〜首狩島容疑者十七万人殺人事件〜
タイトル通り。ミステリーサークルなのに容疑者が17万人笑。しかも、ビッグサイトに17万人移動させる意味が全然ない笑。イベント会場の営業が犯人というのは筋が通ってるけども。首狩斬人ってすげぇ名前だな。
〜TP対称性の乱れ〜
物理教授の元へ茶道の先生が茶道の話題作りのきっかけを求めにやってくる話。「でも先生」で全然引き下がらない婦人と、理論を語って冷静に「無理です」という教授のやり取りがクセになる。話のスケールのギャップも〇。
〜ライオンガールズ〜
暖房付きの部室欲しさにとりあえずライオン部を設立する4人の話。動物のパジャマと言えば個人的にはゆるゆりなんですけどね笑。それから、よく承認通ったなという話なんですが、割としっかりライオンの真似してた。まぁ、ほぼ寝るだけなんですが。
今回のbest words
でも先生 (p.282)
あとがき
サクサクと読めました。ラノベ1冊としては最速記録かも。というか、振り返りながら感想残す方が時間かかってるかも笑。
メディアワークスの方ではどんなテイストの小説書かれているのか少し気になりました。
というか、おりがみパーク難し過ぎな笑。