心和のラノベ感想

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三角の距離は限りないゼロ8 感想

三角の距離は限りないゼロ8


今回は、三角の距離8巻です。

迎えた最終巻。展開としては想像通りって感じでした。舞台となった北海道の宇田路市は、小樽をイメージした?架空の地名で、失恋探偵ももせでも出て来た場所のようです。

あらすじ

明滅的に人格が変わっていく中で、2人のどちらを選ぶか決める事の出来なかった四季であったが、秋玻と春珂と共に2人の幼少期に過ごした地元へと向かうことに。

時間をかけて新幹線で向かった宇田路市で、秋玻と春珂のルーツとなった場所を巡っていく。結論を中々出せないでいた四季であったが、2人の遺書や友人らの後押しによって覚悟を決めるのだった。

感想

まずは完結おめでとうございますということで。端っから二重人格の2人のどっちを選ぶのか?四季の矛盾を孕んだ相手への接し方への折り合いという二面性のテーマで進んで来た今作でしたが、8巻を要して答えが出ました。

2人の結末については、大凡予想通りで、どちらも正しくてどちらの性格もまた自分という形で1つに統合されるという。これは、四季の問題とも密接に関連していて、矛盾を抱える自分もまた自分であると認められるかどうかみたいな話で。

秋玻と春珂の元の名前については、"こっちゃん"というヒントが以前に出ていて、春夏秋冬が随所に見られる物語だったので、薄らと暦系の名前だと予想していましたが、正解は「暦美」でした。

残念だったのは、秋玻と春珂が分裂した事件が明らかにされなかった部分ですね。引っ張るだけ引っ張ってやらないんかいという、うーん…。それから、何となく推測してしまうのが、岳夫さんって2人の実の父じゃないんじゃないかって。それは、2人に似ていない容姿や、焼きそば店での件とかetc。

あとは、前々から言ってましたが、キャラクターが弱い。須藤ちゃんくらいですよ、好感持てるの。それ以外は微妙で、態々友人たちが北海道にまで来ることかな?ちょっと無理が無いかな?と思いました。まぁ、最終巻が北海道になった分、出すには荒技が必要になったということだと思いますが。

それと、四季の決断の遅さ。もどかしいとかそういう次元でなくて、ただただ優柔不断。これまで過ごしてきて何を考えてきたの?と。勿論、究極の選択で答えを出すのに窮する気持ちは痛いほど分かるんですが、それにしても引っ張り過ぎて、流石に四季という主人公が嫌いになるレベルでした。

ざっと読み始める前に300ページか、丁度良い文量だなと思って読み始めての247ページでの幕切れにびっくりしました。残りは、次回作の『あした、裸足でこい』の先行掲載。この失われたヒロインをタイムリープしながら、過去を変えて救いに行く感じ、面白そうですね。

p.85の挿絵がえっちだ…。

今回のbest words

僕らは__矛盾するんだ (p.224 矢野四季)

あとがき

積極的な秋玻/春珂の一方で、中々決めきれない四季にモヤモヤ感が溜まったのと、早く過去話来ないかなーということが常に念頭にあって、その辺りなあなあになったのがなんだかなぁという感じでした。まぁ、それでも一つの完結を見れたのは良かったです。

次回作以降も今作のキャラクターが出てきそうなので、そこも期待ですね。