今回は、劣等生17巻です。
深雪と達也が四葉家の直系であったことに加えて、2人が婚約をするというニュースを受けて、取り巻きの面々がそれぞれの反応を受ける一方で、師族会議と日本へのテロリストの侵攻の序章といった回でした。
あらすじ
四葉家が魔法協会に通達したニュースは、瞬く間に達也らの周辺に広がっていた。一校内では、2人を避ける動きとなり、友人である幹比古や美月も例外ではなかった。
このニュースに対して、十師族として動きを見せたのは一条家であった。近親婚への忌避に加えて、将輝を深雪の婿候補として名乗りを挙げた。この流れに七草家も乗っかり、真由美を達也に差し向けようと画策。
水面下では、大漢の崑崙方院から亡命した七賢人の1人、ジード・ヘイグこと顧傑が四葉家への報復の為、日本に乗り込んでいた。そして、師族会議の場で戦端が開かれる。
感想
前半が、四葉家のニュースに驚く面々と、それに惑わされず蟠りがないように立ち直る友人たちが描かれて、後半では、師族会議の様子と今後の事件への導入の模様が描かれました。
そもそも、司波兄妹の友人らは、彼らが四葉家であったことすら寝耳に水な訳ですからね…。でも、いち早く正気を取り戻したエリカやレオの説得で、幹比古らも普段通りに戻るという。確かに、今まで黙っていた事もあったけど、これまでの信頼関係はすぐに壊れるものではないし、自分達も他人に開示していない情報はある訳で。
ただ、1番ショックだったのは、ほのかなんでしょうね。雫のフォローが無かったらどうなっていたことやら。雫の淡々とした態度からの「ほのか」と呼びかける様子が胸に刺さる。
これまでも何度か挫折があったほのかですが、①諦める②アプローチし続ける③愛人になるという3つの選択肢から、②を選べるほのかは強いなと思いました。雫としては承伏しかねるかも知れませんが。
それから、真由美の方ですが、こっちは直向きに恋愛をしている太刀ではないものの、やはり達也を捨て切れない気持ちも心にはありそうです。ただ、将輝よりかは立場的に行動は起こし辛いのも分かりますね。
師族会議では、十師族の面々が一堂に会しました。将輝の父が意外にも堅物感があって驚きました笑。その他、二木、三矢、六塚、八代などは初めて聞いた名前でした。
七草への牽制などはありましたが、大きな決定事項としては、十文字家では克人が当主になったことと、九島家が抜けて、七宝家がメンバー入りしたことでした。
今まで、1〜10が綺麗に揃っていたのに…と思う所はありますが、今後の七宝琢磨の動きにも注目ですかね。あの一件以降は良い奴になったみたいですが。そして、ほのかに恋をしかけてもいるようで。
久々にリーナも登場しました。ただ、立場上USNAから離れられないのがネックですね…。そして、七賢人の話も少しずつ出てきました。
人間主義もまだまだ健在で、最後の終わり方は、この風潮がまたマイナスに働きそうな不穏な形でした。
あとがき
内容的には面白くなってきたなと感じました。師族会議でのやり取りなんかは特に。
顧傑自体はそんなに脅威ではなさそうですが、上中下巻ということはまだまだ波乱が起きそうです。
2022.6.18