涼宮ハルヒの驚愕(前) 感想 ★★★★

2011.5

今回は、ハルヒ10巻です。(再読)

上下巻の上巻なので、あまり言えることはないのですが、分裂に続いてαとβでそれぞれ話が分岐して話が展開していました。αの方では、新キャラも登場。

あらすじ

α

ハルヒが主催するSOS団選抜テストでは、アンケートを記入させたりと新入生を篩にかけていく。そして迎えた最終試験では、無制限のマラソンであった。

そんなハルヒのペースに適合した女子生徒が1人いた。名を渡橋泰水と言い、キョンはどこかで会ったような錯覚を起こすが…。

β

体調を崩す長門の看病を続けるハルヒ達。キョンは原因を周防九曜に求めて接触を計るが交戦となり、再び出てきた朝倉と喜緑さんの介入によって、膠着状態となる。

佐々木らの会合に再度参加し、長門への攻撃を止めさせるよう促すが、交換条件としてハルヒから佐々木に能力を移す事を求められて…。

感想

平和なα世界線と混沌のβ世界線といった所でしょうか。

αの方は長門が攻撃を受けて伏すことなく、キョンハルヒを家庭教師としながら、佐々木らの介入を受けることなく、平和裡に団員募集をしている。

しかも、団員希望者がそれなりに来るという笑。βでは0なので。それから、ハルヒの無茶な試験を経て残ったのが、渡橋泰水(ヤスミ)という少女。

分岐し始めの頃にキョンに電話してきたのがヤスミという話もありますが、何らかの能力を持っている事が予想されます。とは言え、古泉の調査では引っかからなかった筈ではあるのですが。

βの方は、長門を盾にハルヒの力の移譲を迫られるという展開でした。こっちのルートは佐々木らとの交流のシーンも多かったです。

佐々木も色々と捏ねくり回して言葉を重ねてはいますが、やはり難解。ただ、自分の理屈というか芯を持っているようにも感じます。

びっくりだったのは、谷口が前に付き合っていたと言っていたのが九曜だったこと笑。九曜本人はキョンと間違えたと申してました。一方の国木田は、鶴屋さんに続いて朝比奈さん達が普通でない事を見抜く発言をしていて、まぁ流石準団員と言ったところ。

誰が分裂を起こしたのかは謎のままですが、キョンがキーなのは間違いなく、ハルヒと佐々木が上手く手を取り合う事で、事態は開放(快方)に向かっていくんでしょうか。

あとは、ヤスミはハルヒによって生み出された存在なのか、未来からやって来た存在なのか、どう物語に作用していくか楽しみです。

今回のbest words

百一匹ハムスター早つかみ大会とかじゃないだろうな (p.195 キョン)

あとがき

ワシントンD.C.のDCはDistrict of Columbiaの略なのと、共産主義社会主義をより進めたものですかねぇ。

刊行まで4年ほど掛かったことについて、谷川さんは怠惰とかが重なったと言ってましたが、絶対にそれだけじゃないよなぁ…。