やがて君になる 佐伯沙弥香について 感想

やがて君になる 佐伯沙弥香について 2018.11

 

今回は、『やがて君になる』外伝ノベライズ1巻です。

漫画原作の百合ものという事で、あだしまの知見が生かされるノベライズ。アニメをチラッと観た事はあって、佐伯さんは負けヒロイン的な立ち位置だったような。

男性目線だと、百合は攻守がどちらも可愛いと感じられるのが良きですね〜。

感想

〜5年3組 佐伯沙弥香〜

沙弥香が小学生の頃に、習い事の1つだったスイミングスクールで出会った少女から好意を向けられる話。

小学生だからこそ言語化出来ない恋心や、無邪気さあどけなさが感じられて良かったです。また、同じ小学校じゃなくて、週一の水泳の時だけ顔を合わせるというのがまたね。

結局、好意のようなものを向けられ、水中首筋キスを決められてからは逃げ出してしまってその後の進展は無しという事で、時期尚早感がありました。特に、沙弥香はそれなりに金持ちの家に生まれていて、友達すら敬遠しがちな子というのもあると思います。

ただまぁ、自分のして欲しい事を言って、その少女がそれに従ったというのは、恋は人を狂わせるというか、盲目というか、従ってしまうその感覚の片鱗はあったのかなと。

〜友澄女子中学校2-C 佐伯沙弥香〜

合唱部の先輩の柚木先輩から告白され、付き合う事となった話。これが沙弥香の百合の始まりだとすると、柚木先輩の罪は重い笑。こういう私にしたのは、あなたのくせに。

普通に面白くて、揺さぶられる展開でもあり、ただちょっと残念だったのは、かなり場面が飛び飛びな所。ページ数は多くないし、そんな駆け足でやらなくても良いのではとも思うけど、漫画から来た人用にページ数抑えてたりとかするんですかね。

この中学校は所謂お嬢様学校のようなもので。カラオケやファミレスでドギマギする先輩が可愛いかったです。

また、そんな柚木先輩から告白され、悩みながらも付き合う事に決め、沙弥香自身も徐々に先輩を好きになっていく様子は良かったです。何だかんだウキウキしてるようで。

しかしながら、恋に傾注して周りが少しずつ疎かになりかける沙弥香に反比例して、じわじわと柚木先輩が離れていくのが寂しい。

途中から、「あれ、これ駄目なやつじゃね?」というシーンが続いていたとは言え、自分から告白して、女の子同士じゃやっぱり…というのは狡い。責任を取れ。

まー、これも飛び飛びだったので、柚木先輩に何があって考えを変えたのが分からなかったのが、悔やまれます。例えば、親や友達に揶揄われたとか、あるいは高校に進学して別の人を好きになったのを誤魔化す為とか。どうなんでしょう?

傷心の沙弥香でしたが、高校で七海燈子に出会って一目惚れという。次回がしっかりあるようなので、そちらも楽しみです。

今回のbest words

……先輩は、私を見ると手が熱くなりますか? (p.142 佐伯沙弥香)

あとがき

キスをした時に、その人への愛が分かる、的な? 柚木先輩はその時に気付いてしまったのかなぁという気もしてきました。

いや、沙弥香と柚木先輩が同級生だったらあるいはだったんでしょうか。そうすれば下の名前で呼び合っていたんだろうなぁ。