天使の3P! 感想

2012.6

 

今回は、天使の3P!です。

ロウきゅーぶ!蒼山サグさんの新作。方向性や物語の構成はロウきゅーぶ!と路線はほとんど同じで、小学生を愛でる話であり、唯一違うのは音楽というジャンル。著者もバンドマンだったらしいですし。

タイトルを見た時にいかがわしい感じを抱かせるのは、目論見通りなのかも知れませんが、スリーピースは普通に音楽用語なんですよね〜。

あらすじ

貫井響はいわゆる引きこもりだった。中学でのとあるトラウマから高校も不登校となっていたが、ひびきPとしてネットに曲を投稿をしていた。そんなある日、会ってみたいという熱意のあるコメントで出向くと、そこには女子小学生3人がいて…。

五島潤、紅葉谷希美、金城そらの3人に連れられて、児童養護施設:リトルウイングに立ち入ることに。潤たちは、この教会跡地で人を入れて響の曲でライブをしたいと言う。一方、マスターの佐渡正義には、潤たちを諦めさせるようにお願いされるのだった。

感想

新作も小学生でしたねぇ笑。どことなくロウきゅーぶ!に雰囲気は似ていて、このキャラはロウきゅーぶ!のあのキャラ味があるな〜なんてのをよく感じました。

話としては、不登校の主人公が、小学生3人と巡り合わせがあってその演奏に感銘を受け、社会復帰をしながら、一方の3人の抱える悩みも解決していくといったものでした。

ただ、1番驚いたのは響が妹のくるみ(小5)と普通に混浴してる所だよね笑。いかなツンデレ妹だとしても平然と風呂に入ってくるのやば過ぎ…。

まぁ、実はくるみが潤らと同じクラスの委員長という設定があるからこそ、潤たちの問題に踏み込むきっかけになった側面もあり。

潤たちが抱える施設暮らしによる葛藤は尤もであり、世間の目を気にするという点では響にも通じる点があるとも思える。逆に、誰か1人にでも認めてもらえればかなり楽になる問題でもある。

響が不登校になった理由は、キザな言い回しでポエマーと嘲斎坊にされたからでしたが、小学生らの事情は分からず仕舞いでした。そんな訳で、1巻は導入編といった所なのでまだ面白さの判定も出来ないのかなという感じでもありました。

一応、3Pのメンバーについて、五島潤は智花っぽさがあるかなと。ギターボーカル。紅葉谷希美は、真帆と紗季を混ぜた感じかな。お嬢様っぽい威圧感があってバカっぽくはないベース。金城そらは不思議系なポワポワだから、イメージはひなたかな。ドラム。はむ。

響はひびきPとして楽曲投稿をしていた事もあって、3人の指導も可能でロウきゅーぶ!のような関係性だよねと。

それから、響の同級生だった鳥海桜話はモブキャラかと思いきや、リトルウイングで暮らしていて、引きこもっていた響に学校のプリントを届ける等甲斐甲斐しさを見せてました。両親を事故で無くし、給料の高いメイド喫茶?でバイト。健気じゃ。

不登校児がいきなり学校に来て一曲歌って帰るの勇者だよなぁ。

今回のbest words

……………………ヴァークァ (p.114 くるみ)

あとがき

一時的にリトルウイングの取り壊しを免れて、プロデューサーとなった響が果たしてどんな策を打つのかという事で、次回も楽しみです。

またまた時雨沢さんの帯コメ笑。