今回は、刀語8巻です。
シリーズの2/3に到達し、中盤戦が終わったという所、かなり極まってきたというか色々な伏線があってより盛り上がってきたという感じでした。面白い!
あらすじ
ようやく尾張へと帰還したとがめ達は、幕府への刀集めの報告のほか、情報を提供してくれるということで、否定姫と対面する。
否定姫の情報を受け、部下の左右田右衛門左右衛門の案内で向かうは、壱級災害指定地域の一つ江戸・不要湖。四季崎記紀の工房があったとされるその地には、絡繰人形である日和号が徘徊していた。そして、今回の蒐集目標の微刀・釵は日和号そのものらしく…。
感想
寄り道というか、回り道をしたものの、ようやくの尾張。とがめの奇策屋敷の奇抜さを指摘しちゃう七花は良かったです。
そして、何と言っても否定姫。これまでも何回か描写はあったものの、容姿が明らかになったのは初めてでした。まさか、金髪碧眼の姫だったとは。加えて、終盤に未来からやって来たかのような発言があったのは意味深でした。
そんな否定姫の情報で、江戸に刀集めに向かう訳ですが、今回の敵は人形であり、刀そのものでした笑。刀を傷つける訳にはいかないからこそより難易度が高く、それを承知で失敗の可能性も考えて送り出すのは、否定姫も中々腹黒だなーと。
ここに来て、4本の手と足を持ち、首も180°回転する人形とのバトルという設定がそもそも面白かったです。鎧も刀として扱うのは怪しかったですが、ものは言いようとはその通り。最後は、ひっくり返って足をプロペラ状に回して飛ぶみたいな突破な発想も最高でした笑。
結果として、170年動き続けていた日和号でしたが、太陽光発電というオチ。勿論この時代にそんな技術があったのかという話でもありますが、曇りの日を選んで消耗させたことでの作戦勝ちでありました。
あとは、七花ととがめの仲が予想以上にラブラブだったのも印象的でした。とがめの字や絵が上手いのも意外と言えば意外でしたが、七花を座椅子に物書きしてましたからね。でも、とがめの推理と作戦、七花の戦闘能力が噛み合って勝利を掴む模様は中々良いコンビネーションでもありました。
それから、真庭海亀さんは七花らの与り知らぬ所で噛ませ犬してました笑。海亀も良いキャラだったけれども、右衛門左右衛門によって敗北。右衛門左右衛門は、昔まにわにに壊滅させられた相生忍軍の元忍者だったらしい。次回以降、鳳凰との因縁の対決がどう転ぶか。
今回のbest words
運命は自分で言い張るもの、だ (p.44 とがめ)
あとがき
ラスボス候補の七実が脱落したことで、否定姫の怪しさが浮き彫りになってきました。シリーズ根幹を揺るがす何かがありそうで楽しみ。
筆者あとがきは、命令だけが生きている話。これは日和号に端を発する話題かと思いますが、毎週録画とかもその例。変わるとか見直すとかも大事みたいな。