心和のラノベ感想

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マグダラで眠れⅧ 感想

マグダラで眠れⅧ


今回は、マグダラで眠れ8巻です。

表紙のフェネシスを見てると大分大人っぽくなったなぁと感じるんですが、実際にはそんな当初から時間は経ってないはず笑。ただ、錬金術師度が上がっているのは今回見ていても感じるところで。

天使の伝説を追って、空を飛ぶ方法を実験したり、足跡を想像したりで、ある仮説に辿り着いて一区切りの感もあるんですが、全然謎は解明し切れていないし、クースラとフェネシスの関係が劇的に変化するって程でもなかったなと思います。

あらすじ

アッバスにやって来た一行は、町外れの地で穴が穿たれている光景を実際に見て唖然とする。一方で、天使の伝説の一端である空を飛ぶ方法について試行錯誤の後に、フェネシスの体を浮かせる事に成功する。

今後白き者たちの行方を探っていく上で、騎士団に飼い慣らされることは自由が阻害されるとして、クースラはアイルゼンの暗殺を目論む。しかし、その最中でアイルゼンはクースラらに追いつき、騎士団の厳しい現状を鑑みた上で、意外な提案をするのだった。

感想

物足りないなーというのが1番なんですよね…、中途半端というか。この作品のやりたいことは、クースラがフェネシスに意地悪する所なのか、クースラがフェネシスにデレデレする所なのか、錬金術師として不可能とも思える証明を快刀乱麻を断つ勢いで解決していく所なのか、イリーネとウェランドを加えた4人でわちゃわちゃするのを楽しむ所なのか。

そもそものキャラ個人の要素が弱いので感情移入が難しく、イリーネとウェランドは特に存在意義が薄いように思えてしまいました。だったら、狼と香辛料よろしくクースラとフェネシス中心の方がもっと深掘り出来たんじゃないかなと。

そして、クースラが貧弱な感じで物語が進んできてしまったので、アイルゼンの件もなあなあになるんだろうなと予想できてしまったのも…。というか、あれだけ騎士団の為に奇跡を起こしてきたのに…という所もありますね。

さて今回の話では、まず最初に空を飛ぶ方法の探究がありましたが、これは気球のイメージなのかなと思いました。今の時代だと飛行機等もあるので有り難みは薄れますが…。ただ、壁画とかを考えると袋のようなものが描かれていなかった筈なので、どうなんだろうなぁという気もしました。

それから、白き者たちの行方について証拠隠滅して北の地に向かったとか、情報が途切れているから全滅したとかありましたが、最終的には天文学の研究で南に向かったのではという結論に落ち着いたようです。結局、フェネシスと同類には会えず仕舞いでした。

謎が残っているから町を発展させられないというのはなるほどと思いました。確かに、爆発があった町では火を熾すのも恐怖の方が勝りますし。そういう意味では、錬金術師は人助けにもなっているんだなぁ。

今回のbest words

あなたがいれば、どこでも構いません (p.199 フェネシス)

あとがき

化学の知識があればもう少し楽しめたかも?

2016年の2月以降続巻の出ていない当シリーズですが、香辛料や羊皮紙の方で作者の活動は続いているので、本当に気が向けばって感じでしょうか。