心和のラノベ感想

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マグダラで眠れⅡ 感想

マグダラで眠れⅡ


今回は、マグダラで眠れ2巻です。

ちょっと捻った会話や、少しずつ本作の方向性や目的が見えてきたので、そこそこ楽しめました。フェネシスが自我を見せ始めたのも可愛かったです。

あらすじ

グルベッティの町が異教徒との戦いの最前線でなくなるという噂に焦るクースラ達。そこで、北の植民への流れに乗る為に、騎士団に対して成果を上げようと考えるが、出てくるのは前任の錬金術師トーマスの優秀さのみであった。

そんな時、鍛冶屋組合の者からダマスカス鋼の製錬の秘奥があることを知らされる。しかし、鍛冶屋組合長の娘イリーネやソペイテスという老人を頼るものの、中々口を割らず…。

感想

錬金術師というのが何とも微妙な立ち位置にいるんだなぁというのを思いました。とは言え身動きが全然取れない訳ではなくて、寧ろ騎士団の庇護下にあるお陰で意外と融通が効くんだなと。

騎士団が武力だけではなくて財力もあるのが強くて、騎士団が鍛冶屋組合に資金を融通していたりするから、錬金術師のクースラとしてもそういった手合いに立場上強く出られたりするという。

ただ、錬金術師も雇い主がいてこそで、賑わいのある町に工房を持っていた方が資金なども潤沢になるから、最前線で錬金術師でいることはそれで価値があって、逆にそうなる為にはそれ相応の実績が必要なんだなと。

ウェランドが20年後くらいだったら自分もそうなれる…と漏らしていたのが何とも言えないですよね。この時代ですら年功序列で、年長者が良い役を担ってしまうんだよな…。

さて今回出てきたのは、ダマスカス鋼というもので、オリハルコンに比べて存在は認知されているものの、製法が謎に包まれたもの。今後の話もこんな感じで1つテーマみたいなものに纏わる話になっていくんですかね。

イリーネというキャラですが、狼と香辛料の酒屋の娘のようなやり取りを彷彿とさせました。それに、若くして組合長というのが、エルサとかノーラの短編に出てきたキャラにも似ている気がしましたね。

結局は、ダマスカス鋼の製錬は完全なものではなかったようですが、騎士団を騙して?北の地へと随行していきそう。イリーネもそれに同行か。

クースラとフェネシスのやり取りが通して結構甘かったです。クースラがかなりストレートに色々言っている気がしますが、最後にはフェネシスも自分の居場所がクースラの元だと思ってきたのかなーと。

今回のbest words

掃き溜めに鶴だな (p.234 クースラ)

あとがき

少しずつ世界観やキャラの輪郭も分かってきて、面白くなってきた気がします。もうちょっと展開の解説があると読者に優しいんですけどね笑。