今回は、マグダラで眠れ1巻です。
狼と香辛料の支倉凍砂さんが送る新シリーズ。人から忌み嫌われがちな錬金術師のクースラと、世間に疎く幼いものの強がりで従順な修道女フェネシスを巡る話で、時代や舞台は前作に近い感じ?狼と香辛料に比べるとフェネシスの立場が弱めな気もしますが、健気な感じが可愛い。
あらすじ
聖人の骨を焼べるという罪で収監されていた錬金術師のクースラは、戦争の最前線の町グルベッティに派遣され、とある錬金術師が遺したメッセージを探っていく。そこには、見習い時代共に過ごしたウェランドと監視役の修道女フェネシスがいた。
錬金術師が生み出す技術は重宝されるものの、何をやっているか側からは分からず周りからは敬遠されがちであった。そんな錬金術師の作業をフェネシスは経験することとなり、またそれを何だかんだしっかり遂行する姿を見て、クースラはフェネシスを可愛く思っていく。
感想
教会とか騎士団とか商工会とか世界観の設定は置いておいて、とりあえずフェネシスが守ってあげたくなる可愛さがありました。そして、猫耳!この路線で行くんですねそうなんですね。
このまぁ悪魔憑きとでもいう秘密を持つフェネシスなので、錬金術師同様に世間からは迫害対象というか、マイノリティな訳で。そして、狼と香辛料と同じく1巻から襲撃を受けてました笑。
でもどうやって今後話を繋げていくのかは未知数だなぁ。とりあえず1巻は、2人の出会いと運命共同体になったという感じ。クースラの好きだったという、ちょくちょく名前が上がったフリーチェの話は今後出てきそうですが。
タイトルについては、マグダラというのがイメージなんですが、錬金術師にとっての夢の向こうみたいな、少し抽象的なもの? それがクースラにとっては、オリハルコンを作り出すことで、勇者紛いのことをしたいってな感じですかね。
でも、錬金術師のやってることって、今で言う研究者という感じで、世の中を良い方向に変える素質もあるとは思います。悪い意味で、他を顧みずに何かしらに没頭している異端者とも言えるのですが。
ロレンスは商人として儲けに目が眩んだりしてましたが、クースラも同じく1つのことに夢中になれるという意味では格好良く見えますけどね。それに技術や知識もありますし。因みにクースラという名前は利子を表すらしいですが、本名ではないらしい。
今回の話は、騎士団の輜重隊隊長の自作自演だったみたいな話ですかね。不正な手口で金儲けしていて告発されそうになって口封じをした的な。聖歌隊とかの絡みもまだ分からない部分が多い感じでした。
今回のbest words
人に貰った初めてのものですから (p.296 フェネシス)
あとがき
ウェランドが開幕フェネシスの胸を揉みに行って印象付けて、その後に錬金術師として格好良い姿を見せてギャップで振り向かせるのレベル高い。そこから必死に守ろうと妨害しようとするクースラはもうフェネシスの虜ですねぇ笑。
まだどういう形で進んでいくか不透明ですが、2人のやり取りは楽しく見れそうな気はします。