心和のラノベ感想

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悪魔のミカタ⑬ It/MLN 感想

悪魔のミカタ⑬ It/MLN


今回は、悪魔のミカタ13巻です。

1学期編(《It》編)の最終巻。500頁近い分量でしたが、全ての謎が明らかになったかと言われると全然そうじゃないと思う。特に続巻の666を読むつもりはないけど、2学期編がでるまで3年くらい空いたらしい…。

あらすじ

ザ・ワン』の目から逃れるために森で野宿することとなったサクラと美里。不安がる美里だったが、お嬢様とは思えない(お嬢様だからこそ?)サバイバルの知識を持つサクラのお陰で衣食住には困らずに身を潜めることに成功していた。

サクラが発した舞原家への信号を機に、人間と吸血鬼との戦いに明暗が分かれていく。ヒーローに憧れて人狼と戦う海藤、吸血鬼へ一手を投じるエレナと唯、そして昇や水彩、ブックマン…各々あらゆる角度で行動を起こすのだった。

感想

序盤のサクラと美里のサバイバルは面白かったです。いや全然悪魔のミカタ読んでる感じはなかったですが笑、シンプルに色々学べることもあって良いバイブルでした。というかサクラが頼もし過ぎて。

お嬢様として普段から毒への耐性を付けるため訓練をしているために、生肉を口内で殺菌して口移しで美里に食べさせるとか百合百合しかった。しかも、猫ごっこなんかも煽情的で、でもサクラがジャンル毎に得手不得手があって、美里を大切な人と説くシーンなんかは説得力がありました。

そして、結局サクラが超常的で最強だったということでしょ。端っからこうしてたら良かったんじゃないかと思うくらいあっさり。海藤は人狼にやられたっぽいけど、サクラは催眠術?で簡単に屈服させていたと。

その後は、各メンバーの動き。海藤は人狼を2匹倒しながらも最後は助かってなさそう。雨を降らせたのは日光を遮らせる目的で吸血鬼サイドが仕掛けたのね。

エレナと唯は『ザ・ワン』の繋がった感覚を逆に利用して、麻薬を摂取することで『ザ・ワン』を掻き乱したっぽいですが、2人は死亡したって認識で良いんかなぁ。生きるために必要な成分と味覚の話はタメになる。昇の方は父との決着を付けて。

結果として、人間側が勝利して、それでも残っていた『ザ・ワン』のバックアップをコウが倒して終了。『ザ・ワン』という名の通り孤独で寂しいところ、パートナーを示唆した事で消滅したと。

サブタイトルのMLNについては、『ザ・ワン』の残り香的なもの(エレナ、唯、遼子)から生まれた子供で、ミレニアムとミリオンから名付けられたらしい。表紙がまさにこのMLNなんだろうけど、最終巻がこれで良いのか…。

今回のbest words

あのにゃん、日炉理坂のタヌキって、おいしいにゃんよ! (p.82 サクラ)

あとがき

ほとんど主人公周りが活躍しないまま終わったー……。単体として見れば多少は楽しめたけれども、やっぱり腑に落ちない。話の概要も心情的にも。

一応13巻という区切りまで読めたので、この作品を批評するとするならば、ハマらなかったというのが1番。話の流れが分かりづら過ぎるし、ごった煮というか閑話休題どころじゃない話の逸れ方するし(夕日を連れた男どこ行った?)、キャラの深掘りが甘いし(日奈とコウの馴れ初めやれば良いじゃん…)、とにかく心休める部分がない。

シリーズで1番面白かったのは5巻かなぁ。13巻の序盤もそこそこ。

同作者の紫色のクオリアは高評価多そうなので、今後読むかも。