心和のラノベ感想

1ヶ月15冊読了目標!

狼と香辛料 感想

狼と香辛料


今回は、狼と香辛料です。

第12回電撃小説大賞の銀賞受賞作。ここからは、作者の支倉凍砂さんの電撃文庫の作品を集中して読んでいきたいと思います。

実は、アニメ2期まで観てるんですが、ゼーレンの声が浪川大輔さんだったのが印象に残ってます笑。

あらすじ

行商人になって7年が経ち25歳のクラフト・ロレンスは、いつか町で自分の店を構えることを夢見ていた。そんなロレンスは、取引の為に立ち寄った村で賢狼ホロを名乗る娘に出会い、共に行商をしていくことに。

ゼーレンと名乗る若い行商人から、とある銀貨の値が上がるという儲け話を聞き、慎重に判断した上でその話に乗るのだが…。

感想

ホロが賢い可愛い。とにかくロレンスとホロのやり取りが微笑ましくて見ていて楽しい。大抵はロレンスが尻に敷かれるパターンが多いんですが、時々一矢報いたり、ロレンスがホロを思いやったりが良いですね。ホロを表す老獪のような子供のようなという表現も好き。

また2人の組み合わせが噛み合ってるのが良いんですよね。ロレンスは、1人で行商人としてやっているので話し相手が欲しく、一方のホロも何だかんだ1人は寂しいと思っていて。神だって敬ってもらってナンボなんだなと。

ロレンス視点で話が進むんですが、小説なので意外とロレンスがホロを可愛く思ってるんだなと文章で分かるのがまたアニメとは違っていて面白かったです。他の男と話すホロに妬くロレンスもまた良き。まぁ、1番は語彙が少ないロレンスが何とかホロを繋ぎ止めたラストシーンに尽きるけども。

ヒロインの可愛さ、約束を守る義理堅さがちゃんと出るストーリー展開に加えて、しっかりと行商人やその時代の文化や知識を学べるのも今作のポイントだなと思います。身形を整えるとか金持ちそうな人を見分けて接点を持つとか、いかに騙されないように立ち回るかとか。

ホロが狼となることが出来るのでバトル展開もやろうと思えばやれるとは言え、基本は帯の通り剣も魔法も出てこない頭脳バトル的なのも新鮮で良かったです。

今回の話は、銀貨の値上がりの話が発端で、ゼーレンとの契約は返金可能な説明料と、儲け話を渡す代わりに儲けた分の少しを払うという1対1のものでした。シンプルにゼーレンが損をすることのない話であると共に、後ろに大掛かりなものが動いていると分かっていく。王国の財政事情が悪く、銀貨は逆に含有率を下げて再発行しようとしている王に売って、特権を認めさせようとしていたと。

儲け話の裏の企みを見抜いて逆に利益を出そうとするのは商人だなー。本当情報とスピードが命。

今回のbest words

林檎……食べ……たいん……じゃが…… (p.115 ホロ)

あとがき

ホロの喋り方がそも可愛過ぎるんよなぁ。囚われたホロがロレンスと間違えて何と言って出迎えたのか気になるぅ。

しっかりとタイトル回収して物語りを締め括るのもポイント高い。

「後ろ髪を引いてくれないなら後ろ足で砂をかけてやればいい。」ってセリフも良かったですね。にしても、ホロの故郷に着いた時に物語が終わるのかどうか。