心和のラノベ感想

1ヶ月15冊読了目標!

小説ちはやふる中学生編2 感想

小説ちはやふる中学生編二


今回は、ちはやふる中学生編2巻です。

結末を知っているだけ読むのも辛かったんですが、原作になかった部分の描写や話の流れがあって、読んで良かったなぁと思います。

あらすじ

脳溢血により右半身付随の後遺症を患いながら、在宅介護を続ける永世名人の綿谷始は、元ライバルの佐藤清彦と左手で戦うことを夢見ていた。福井に戻り、介護を手伝いながらかるたをやっていた新の元に、その佐藤から大会の引率の誘いの電話が入り、祖父の後押しもあって新は佐藤の元へ行き手ほどきを受ける。

戻って来て早々に、佐藤先生が急逝したと連絡が入る。徐々に、始の症状も悪化してしていく中で、新は介護に追われて勉強やかるたを犠牲にするしかなかった。しかし、じいちゃんを自ずから復活させると奮起し、希望を見出していく。

感想

いやぁ、良い話なんだよなぁ。劇的ですよねー。原作は千早視点で、高校で何で新はかるたを辞めてしまってるの?!ってなるんですが、本当中学生で色々あったんだな、と。

じいちゃんはかるたばっかりで、妻を蔑ろにしたと息子(新の父)と折り合いが悪かったり、甲斐甲斐しく介護をしていく一方で、徐々に認知症が進んでしまったり。悪化していくじいちゃんを恐竜に喩えていく描写は秀逸でした。笑っちゃいけないんだけども。

本当は、新も色んな大会に出場していればもっと早くにA級に上がっていただろうに、新の両親はお金がない中で介護や仕事に従事しなくてはならない訳で、新も気を遣って自由に行動は出来ないという。切ない。

中々A級に上がらない新が調子を上げて、遂にA級の大会に出た日にじいちゃんが亡くなるというのが、そりゃショックですよね…。こういう時に、普段忙しくてやっとお母さんがクラス会に行かせてあげた日に重なるっていうのと、じいちゃんに後押しされたってのもあるしなー。「イメージや」が名言過ぎる。

たまにじいちゃんにかるたの神様が宿るのか、かるたの記憶が戻る時があるのがまたいじらしくて。「……あんた……どちらさんかの……?」とか「じいちゃん、これ、なんやろ?」とかがもうね、胸にきますよ…。そして、最後の部分を描き切っていないところがまた何とも…。

まだそれほど病状が進んでいない時に、ライバルで親友の佐藤が亡くなったというのは原作になかった部分の筈。これがまた短歌を絡めていて良いんですが、この出来事はじいちゃんにとっても、かなりショックだったというのが伝わってきて辛い。

由宇も随所で新の精神的支柱となっていて、重要キャラでした。

須藤さんや甘糟、武村さんなどのキャラも出てましたねー。新にヒョロが認知されてないのが可哀想でしたが。

今回のbest words

新くん……かるたの試合は、一人じゃできんのや (p.83 栗山先生)

あとがき

福井編は、本当物語が完成されてるなぁ。心動かされる。

渡り手の意味は分かるんだけど、お手つきにならないのかとか詳細が曖昧だから今度調べたいです。