三角の距離は限りないゼロ3 感想

三角の距離は限りないゼロ3

今回は、三角の距離は限りないゼロ3巻です。

文化祭回!

あらすじ

春珂の告白があってから、春珂は四季に猛烈にアプローチを続けていたが、四季は恋人は秋玻、友人は春珂ときっちり分けて接していた。

近付く文化祭に向けて、春珂は四季との時間を増やす為、四季を巻き込んで実行委員に立候補する。

宮前高校の文化祭は、伝統的に近隣の御殿山高校と合同で行われていた。実行委員の打ち合わせで行った御殿山高校で、四季は1個下の知人、庄司霧香に再会する。何でも、霧香は四季のキャラ作りの師匠のようで…。

感想

オーソドックスな文化祭回だったんですが、今回も面白かったです。クラス準備というよりかは、実行委員としてのステージ企画、運営がメインでしたが。

そういえば…、夏休みどこ行くねーん。まさかの、3巻は2学期スタートでした。青春系ラノベと言えば夏休みで、夏休みと言えば青春系ラノベと言っても過言ではない夏休みが無し!笑 これには、秋玻らが病院療養してたという理由があるんですが、惜しい事を…。

さて、今回はラストも衝撃だったものの、大きな点は、霧香との再会でした。中学時代に、KYをした結果学校での立場が悪くなってしまった四季が、塾で見かけた霧香に、キャラ作りの伝授をして貰っていたという話です。

免許皆伝して、見事高校で上手くキャラを演じながら友人を得た四季だったけれども、偽りの自分に罪悪感と居心地の悪さを感じて、それ以来、霧香とは疎遠になっていたと。

それでも、今の偽りなく、素の自分を認めてくれる秋玻と春珂がいて今は居場所があるんだとなる訳です。

思うのは、キャラの使い分けについて、どっちが正解でどっちが間違いということではないということです。場面に応じて適切な選択を行うことこそ肝要で、外連味も時には大事なんだと大人になれば気付くのかなぁと。

前回の須藤の発言で自分の考えに揺らぎが出ていたところで、今回、霧香というキャラが出てきたのは納得のいく展開だったなと感じます。

多分、霧香も最初は何だコイツ?って感じで四季に接していたんでしょうが、途中からは好きになっていたんだと思います。そして、四季の方も中学生の頃は霧香に惹かれていたんだろうなとも。須藤ちゃんもそうですが、本当恋愛はタイミングだよね…。

オーソドックスな文化祭と書いたのは、例に漏れず文化祭で、アクシデントが起きて主人公が解決するというお決まりの流れだったからなんですが、その解決方法が、自分の忌避するキャラ作りによるものだったというのが良かったですね。早く放送かけろ!って内心思ってましたが笑。

そんでもって、霧香が昔の四季に戻って欲しくて敢えてハプニングを起こしたというのが、後になって分かるという展開も好きですねー。

そして、ラストの秋玻によって、別れを切り出されるシーン。これは、ふたきれの、那織を慮って別れを切り出した琉実に重なるんですよねー。罪悪感みたいなものがあるから、振り出しに戻したり、相手に譲ろうとしたり。

そういえば、千代田先生って、作者のデビュー作の主人公っぽいですね。やっぱり読む順番は、こういうネタでも反応出来るから、1作目から読むべきなんだよな…。

あとがき

既に2人の入れ替わり時間が、45分→30分とかなり短時間になりつつあります。同一時間にいられない秋玻と春珂のバチバチはいかに。

恋愛における誠実さって何なんだろう、と考えてしまいます。

2022.7.18