心和のラノベ感想

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ひげを剃る。そして女子高生を拾う。Another Side Story 三島柚葉 感想

今回は、今月発売のひげひろの三島柚葉の番外編です。基本的に、ラノベのラブコメにおいて、1巻の表紙に描かれたキャラクターがメインヒロインだと相場で決まっています(冴えカノは例外)。なので、この作品もご多聞に漏れず本編は沙優ルートで終幕しました。

つまり、三島柚葉は負けヒロインに違いないのですが、僕はこの三島ちゃんのキャラが結構好きでした。負けヒロインは主に、主人公に対して真っ直ぐ想いを伝える役回りになることが多いので、叶わないとは言え読者視聴者に輝きを見せてくれる事が多いです。僕が負けヒロインを好きになったきっかけは、「あの夏で待ってる」という作品の谷川柑菜というキャラなんですが、偶然なのかアニメ版の三島ちゃんも声優が同じ石原夏織さんなんですよね。

さておき、後藤さんよりも先に三島ちゃんのサイドストーリーが出た事を考えると、キャラ人気故なのかなと思わされます。で、今回期待していたのは三島ちゃんの恋が成就するifストーリーだった訳ですが、実際には失恋した三島ちゃんが新たなスタートを切る物語でした。メインで負けているのだから、サイドで勝たせてあげても良いのでは…とも思いましたが、しめさばさんはこっちの話を書きたかったんでしょう。

あらすじ

沙優が北海道に戻ってから、吉田は仕事以外はボーッとしている事が多くなっていた。見かねた三島は、吉田をレイトショーに誘う。

映画を観た後にカフェで気持ちが昂った三島は、勢いのまま吉田にキスすると共に、「どうしてこんな人、好きになっちゃったんだろ……」と言い残し、その場を半ば乱暴に後にする。

混乱する吉田は、済し崩し的にあさみ、橋本に相談を持ちかけ、気持ちを整理する。三島に避けられる吉田だったが、神田先輩と後藤さんが介入することで、2人で話し合いに持ち込む事に成功する。

三島が指定した場所は、三島の自宅だった。想いをぶつけ合った後に、三島は再び吉田にキスをする。これを2人だけの秘密とするために。

感想

200ページという分量に加えて、スニーカー文庫は文字が大きい気がするので、結構あっさりでした。沙優がいないとひげひろじゃないなーというのと、吉田さんがハーレムになる理由が思い付かないという感じですかね。

終盤に三島ちゃんが積極的になるシーンは、可愛かったと思いますが、それ以外はこれといって挙げることはないかなぁ。三島ちゃんのキャラってどういうのだっけ?とも感じました。要領が良いイメージかな。恋というのは意外と自分の理想と違う行動を取られるほど強く惹きつけられるというか、自分を認めてくれるとか、他の人と違う対応をされるだけでも加熱するものなのかもと感じました。

男目線で見ると、三島ちゃんはキスするだけして損をしている気がしてしまいますが、ケジメをつけるという意味では必要な儀式とも言えるんでしょうかね。

あとがき

本編で描ききれないサブヒロインの様子を描く本が出版されるのはとても良いことだと思います。

今後吉田さん以外に恋はしないだろうと、三島ちゃんは健気な事を言っていましたが、別の恋をして幸せになって欲しいと願わずにはいられません。

2021.12.31