今回は、チラムネ6.5巻です。
まず表紙の子誰??ってなるんですが、これ実は綾瀬なずなという、隠れ悠月ファンの同級生なんですよね。あまりキャラデザを覚えてなかったんですが、確か2巻の悠月回の時に出てたキャラだった筈。
そして、短編集と言いつつ460ページほどのボリューム感笑。とても読み応えがありました。
4編入っていますが、各ヒロイン目線で描かれているので、何か少女漫画を読んでいるかの如しでした。
にしても、朔が羨ましいですね。ヒロイン達はどこにいても誰といても、ふとした時に朔のことを想っていて。ClariSのヒトリゴトのサビが頭の中で流れてました笑。
あらすじ
〜八月の夜に結んだ十年前のゆびきりげんまん〜
夕湖から金沢にショッピングに誘われた悠月、待ち合わせ場所にはなずなもおり、3人で小旅行へ行くことに。
〜やがて涙で咲かす花〜
父から、地元編集者と交流の場をセッティングしたと聞く明日姉は、迷いつつも朔と一緒に職場体験へと向かう。そこで、明日姉は挫折と共に夢に向かって大事なことを学んでいく。
〜彼女と彼の椅子〜
夕湖の告白に倣って、少し大胆にいこうと決めた優空は、朔をデートに誘うのだが、場所はふくい鮮いちばで…。
〜かかげた両手に花束を〜
バスケと恋の間で思考が行き来する陽。そんな時、顧問の美咲ちゃんから、憧れのバスケ部OGが来ることを聞かされ、舞を含めて3on3をすることに。
感想
どの話も、今回は恋愛寄りの話で面白かったです。特に、3つ目の優空回が個人的には好きですね。
ここからは、個別に見ていきたいと思います。
〜八月の夜に結んだ十年前のゆびきりげんまん〜
不思議なメンバーでの女子旅回。何と言っても、口絵の3人の浴衣姿が素晴らしい。Hitenさんと言い、raemzさんと言い、外国の方のイラストレーターも最近よく見かけるようになりましたが、うん、この絵を見た時にこれだけでも価値があるなと思いました。
鉤括弧2つで、ハモったツッコミのシーンややり取りも多くて、まるで男子高校生の会話のようでした。
そして、ヒロインレースはあるんだけども、またこの3人で旅行に来れたら良いねみたいな感じも、また尊いです。
福井より金沢の方が都会?
〜やがて涙で咲かす花〜
明日姉が、編集者を目指す上で職場体験する話。この話も結構好きです。どこが好きかと言うと、明日姉の取材方法が、表面的には良いと思えても、実は取材相手の本音を聞き出すことに失敗しているという教訓なんですよね。
この話を読んでから、普段の会話の中でも、自分の都合の良いように相手の話を誘導していないかということを、注意するようになりました。
この、話を読んで日常で生かすという経験は、乃ち物語の内容が自分に刺さったということでもあります。実は、弱キャラ友崎くんを読んだ時も似たようなことがありました笑。
特に、好きな人の前で挫折を味わうことになってしまった明日姉は、羞恥と自分の不甲斐無さに打ちのめされてしまったとは思うんですが、この経験をバネに頑張って欲しいと願うばかりなのです。
〜彼女と彼の椅子〜
優空が、朔をデートに誘う話。何というかこの不器用さがたまらないです。千歳グループの中でも、母性が1番あるのが優空というキャラなんですよね。そして、6巻という1番最後にストーリーが持ってこられたキャラでもある。
夕湖は正妻だとか、悠月が1番朔と似ているとか色々あるとは思いますが、やはり優空というヒロインが1番朔にとって一緒にいて落ち着くのではないかと思います。
というか、胃袋掴まれちゃってるのでは…笑。正直、この話を読み終わった時に、あれ優空で決まりではとさえ思いましたが笑。
朔にとっての諸々の初めてでありたいとか、特別になりたいとか、他の子の料理に嫉妬するとか、恋してるなぁと感じさせられますね。
そして、タイトルの椅子は、物そのものや言葉以上に、優空にとって大きい意味を持つ、と。
〜かかげた両手に花束を〜
陽がOG達とバスケをする話。最初は、襤褸糞言われて嫌な展開なんですが、徐々にボルテージが上がっての後半の熱い展開というのは、よくある手法って感じかな。
一応先輩たちの悪役ぶりは演技と分かるんですが、少しやり過ぎかなという気もする。ま、甘々だけではなくて落差が大事というのも分かる。
主題としては、何かを得るために何かを犠牲にする必要があるかという点で、ここではバスケと恋愛が論点となります。この話の結論から言えば、どちらも切り捨てる必要はないってことになるのかな。迷っているより吹っ切れた方が良いというか。
今時恋愛禁止って、パワハラに抵触しそうだな…
あとがき
何だかんだで、今までのチラムネで1番面白かったかも知れないです。夕湖の告白からヒロインズもそれぞれが思うことがあったんだなと。ただ、この短編集を挟んで本編がどう動いていくのかも楽しみです。
記事見返してみると、目次とかハイパーリンクとか使った方が見易いんだろうなぁ、と思いつつ重い腰を上げられない今日この頃。
2022.4.2