悪の江ノ島大決戦 感想 ★★★

1990.2

今回は、悪の江ノ島大決戦です。

いきなり古い本を読み出したのには、最近奇書を読み漁るのにハマっているからなのですが、勘の良い人はこれを読んだという事は…と気付かれるかもしれません。

さておき、本作は江ノ島要塞vs鎌倉大仏という、実在の物や場所を用いながらのトンデモバトルが描かれる話でした。

あらすじ

江ノ電に揺られる小沢武海は車内で一人の少女と一悶着あったが、その少女・神森綾は居候先の娘だった。

ゲームが好きな武海は、荷解きの際に見覚えのない小包があるのを発見する。それは、DOCと名乗り対話可能な高度な知性を持つ存在であったが、それを機に武海はあらゆる出来事に巻き込まれる事に…。

感想

この時代(1990)のライトノベルと、現在(2025)のライトノベルって名称は同じなれど温度感はまた違ったものなんだろうな〜と感じました。イラストも何か温かい感じがあります。

本作は230ページと比較的読みやすい分量であり、ただ終盤のバトルが描きたいが為に執筆された雰囲気もあります。

そんな感じなので、細部の設定とかはあんまり説明がないのですが、一昔前のコメディタッチな進行が逆に魅力的であり、漫画のような軽さで楽しめました。

そもそも、武海が何で神森家に来る事になったかも分からないし笑。両親が海外に行ったらしい事は書かれていたけれど。あと、童話作家の桂子さんのミステリアス?な存在感も不明な部分が多かったり。

博士のお供が桃太郎よろしく犬、猿、雉なのも謎です笑。

武海の綾に対するラッキースケベ的な要素はお約束のように感じましたが、案外最終的には2人がお互い意識するような関係になっていたのかな〜と思います。

チンピラに絡まれた時に何も出来ずにいた武海に対して、アンダースローで石を投げつける綾はカッコ良かったですし、それを気にしていた武海ですが、最後は誘拐された綾を助け出したので、ちゃんとお返し出来ていたのかなと。

読んでいて驚いたのは、意外とコンピューター系の知識が事細かに書かれている事でした。あまり詳しくないのでそんなものかな〜と思って読み進めてましたが…。

あとは、キチガイ吉外(よしがい)博士のキャラクター性ですよね。お調子者というか、勘違い野郎というか。でも憎めないような。

彼がどういう経緯で江ノ島要塞を展開したのか、世界征服を目論んだのかなどなどやはり分からないのですが、まぁ良い悪役(?)で噛ませ犬だったと思います笑。

そして、ド派手な戦いの後は案外しんみりという落差もあり、例によってDOC(とMAM)がどういう存在なのか判然としませんが、嵐のような出来事の後には武海と綾の陶然とした余韻が残っていた、といった感じで読後感は悪くなかったです。

大仏が立ち上がって、その中に入って戦うという記憶はそうそう忘れないでしょう笑。

今回のbest words

きっと、武海くんは来てくれるって、思ってた (p.220 綾)

あとがき

なんか自由な時代のラノベというのも味があるな〜と思いました。

解説とは()